2020 Fiscal Year Annual Research Report
宿主免疫機構の発達に必要な腸管微生物叢曝露の時機・内容と炎症性腸疾患病態への関与
Project/Area Number |
19K23977
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
三好 潤 杏林大学, 医学部, 学内講師 (10528722)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 腸内微生物叢 / 免疫発達 / 無菌マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
SPF環境下マウスと無菌(germ free, GF )マウスでは、同系統、同週齢、同性であっても免疫プロファイルが異なり、GFマウスではTh2優位となっていることが知られている。本研究では、まず4週齢のSPF環境下野生型C57BL/6マウスおよびGF C57BL/6マウスを購入し、GFマウスの一部に性別の一致したSPFマウスから糞便移植を行なった。これにより、SPF群、exGF群(元GFマウスでSPFマウスからの糞便移植のレシピエントとなったもの)、GF群の3群を用意した。8週齢までSPF群、exSPF群はSPF環境で飼育し、GF群は無菌アイソレーター内での飼育を継続した。8週齢時点において、exGF群にはSPF群と同様の腸管微生物叢が生着し、免疫プロファイルは、GF群とは異なり、SPF群に類似するものに変化していることが観察された。さらに、10週齢のSPF環境下野生型C57BL/6マウスおよび無菌(germ free, GF )C57BL/6マウスを購入し、同様の実験を行なった。14週齢時点において、exGF群にはSPF群と同様の腸管微生物叢が生着していたが、免疫プロファイルは、GF群に類似したままであり、SPF群とは異なっていることが観察された。以上より、幼少期に微生物叢に曝露することが、健常な免疫発達に重要な要素であることが示唆された。
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