2019 Fiscal Year Research-status Report
The roles of M4 macrophages in Systemic Sclerosis.
Project/Area Number |
19K24004
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
大田 ゆう子 日本医科大学, 医学部, 助教 (50723045)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
Keywords | 強皮症 / マクロファージ / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、全身性強皮症の線維化病態への単球/マクロファージの関与が報告されている。2006年に全身性強皮症、特にびまん皮膚硬化型強皮症において、血中CXCL4が有意に高値でありバイオマーカーとして有用であり、形質細胞様樹状細胞がCXCL4の主たる産生源であることが報告された。本研究では、CXCL4により単球から分化誘導されると報告されているM4マクロファージの発症早期びまん皮膚硬化型全身性強皮症病態への関与について検討することを目的としている。 平成31年度は、対象となる発症早期びまん皮膚硬化型全身性強皮症患者の検体収集および末梢血単核球細胞からM1(CD14+, CD80+, TLR2+), M2(CD14+, CD163+, CD206+), M4(CD163-, S100A8+, MMP7+)単球/マクロファージを解析するための条件検討を行なった。また、CD14陽性単球からM1, M2, M4マクロファージへの分化誘導プロトコールの検討を行なっている。今後、プロトコールが確立し次第、対象患者のM1, M2, M4単球/マクロファージの解析を進め、罹病期間、自己抗体、間質性肺炎や肺動脈性肺高血圧症といった臨床的特徴との関連性について検討する。さらに、CD14陽性単球から分化誘導したマクロファージのフェノタイプ解析やmRNA発現を評価し、線維芽細胞など他の細胞との相互作用についても検討していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
倫理委員会の承認に予定より時間がかかり、症例登録開始がやや遅れ、さらに昨今の社会情勢による新患患者の減少もあり、サンプルの収集に時間を要している。また、M4マクロファージのマーカーであるS100A8、MMP-7の発現解析については、細胞内あるいは核内染色が必要であること、CD14陽性単球からの分化誘導プロトコールが確立されておらず、条件検討に時間を有しているため、進捗状況としてはやや遅れていると判断した。今後は、サンプル収集を継続するとともに、早急に解析条件、分化誘導プロトコールを確立し、サンプル解析に入る予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度も引き続き患者血液サンプルの収集を続け、解析に十分量のサンプル数を確保する。単球/マクロファージ解析実験については、早急に各フェノタイプ解析のプロトコール、分化誘導プロトコールを確立し、患者サンプルの解析に入る。解析結果と患者背景について関連性を評価し、M4マクロファージの病態への関与を検討する。 また、実際に線維化等に関与するかどうかを検討する目的に、CD14+単球から分化誘導したM4マクロファージ を用いて線維芽細胞との共培養を行い、相互作用を検討していく。
|
Causes of Carryover |
倫理委員会の承認に予定より時間がかかり、症例登録開始がやや遅れ、さらに昨今の社会情勢による新患患者の減少もあり、サンプルの収集に時間を要している。また、単球/マクロファージの解析、CD14陽性単球からの分化誘導プロトコール、条件検討に時間を有して、物品購入費が予想を下回ったため次年度繰越金が発生している。
|