2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K24100
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中園 史子 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (90836256)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | ナノバブル / 根管洗浄 |
Outline of Annual Research Achievements |
根管治療時のスメアー層除去に用いるEDTA溶液は、脱灰により歯根破折のリスクを高めてしまう。本研究の目的は、ヒト永久歯において、ナノバブル水を用いた場合のスメアー層の除去効果を、EDTA溶液の場合と比較することにより、EDTA溶液の代替としてナノバブル水の根管洗浄への応用を検討することである。長崎大学病院臨床研究倫理委員会に研究計画を申請し、許可を取得した(許可番号:20021005)。長崎大学病院口腔外科にて抜歯した、未根管治療のヒト永久歯を収集した。根管長15±0.5mmになるように歯冠を切断し、5倍に拡大した視野で髄腔開拡後、解剖学的根尖孔の位置で根管長を決定後、次亜塩素酸ナトリウム溶液で洗浄しながらニッケルチタンファイルを用いて抜髄し、Kファイルでアピカルストップの形成を確認した。 拡大を終えた後、歯を3つの群に割りつけ、根管洗浄を行った。 (操作時間①約3分、②③約6分)。 ①17%EDTA溶液1mlで洗浄 → 根管内に溶液を浸した状態で2分放置 ②生理食塩水1ml で洗浄 → 根管内に溶液を浸した状態で5分放置 ③ナノバブル水1mlで洗浄 → 根管内に溶液を浸した状態で5分放置 その後、3-6%次亜塩素酸ナトリウム溶液1mlで洗浄 → 生理食塩水5mlにて洗浄し、マルチサクションおよびペーパーポイントにて根管乾燥し、 根管口を綿球で塞いだ後ディスクで2か所にグルーブ(根管内に貫通しない深さ)を入れて破骨鉗子で2つに分割し、拡大した根管の断面が見える状態にした。その後、2%グルタルアルデヒド溶液に浸漬して固定し、エタノール脱水して乾燥後、白金でコーティングし、走査型電子顕微鏡(Minidcope,日立 TM-1000)にて観察した。画像解析ソフトImage JでSEM画像の象牙細管開口部の面積を計測し、一元配置分散分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試料となる抜去歯の収集にやや難ありである。 現在、コロナウイルス感染対策による患者数の減少により、長崎大学病院口腔外科での外科処置が少なくなっており、目標数の抜去歯を獲得できるかどうかが鍵である。口腔外科に依頼し、少しずつ収集できるようにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
抜去歯の入手が難しく、n数が少ないと、有意差が出にくいため、 ①n数を増やす。 ②ナノバブル水に使用期限があるため、入手後はすぐ使用する。 以上の2点に留意し、実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大防止のため、患者数や処置に制限が設けられ、研究に使用する抜去歯の収集が困難を極め、十分に実験できなかった。また、今年度参加予定としていた学会が中止となった事で旅費などの経費が発生せず、次年度使用額が生じた。今年度にできなかった実験等やWeb開催の学会参加、論文投稿に使用予定である。
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Research Products
(1 results)