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2019 Fiscal Year Research-status Report

口腔領域に発生する悪性リンパ腫の診断および治療法選択に関連する因子の探索

Research Project

Project/Area Number 19K24111
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

岡村 武志  東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (30844352)

Project Period (FY) 2019-08-30 – 2021-03-31
Keywords悪性リンパ腫 / 口腔
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、口腔領域に発生する悪性リンパ腫の臨床的特徴や免疫学的特徴と、治療法・予後とを関連付けて、鑑別診断から検査項目・治療方針の選択に至るまでの簡潔かつ有用な治療ストラテジーを構築することを目的としている。2020年3月31年時点で、口腔領域に発生する悪性リンパ腫の臨床的特徴や免疫学的特徴、治療法および予後の解析が終了している。
具体的には、対象症例28例のうち、性別は男性が多く、発生部位は上顎歯肉・下顎歯肉が同数でもっとも多かった。初発症状は無痛性の腫脹が最も多く、約13%の症例ではB症状がみられた。採血結果はLDHの中央値は基準値内であったが、IL-2レセプターの中央値は基準値上限を上回っていた。病理組織学的にはびまん性大細胞性B細胞リンパ腫が最も多かったが、高悪性度のものも約13%、また、NK/T細胞性リンパ腫も約14%みられた。NK/T細胞性リンパ腫の全例が潰瘍形成をしていた。また、臨床病期はStageⅠ・Ⅱが同数でもっとも多かったが、StageⅣも約27%あった。免疫学的には、びまん性大細胞性B細胞リンパ腫の全例がCD20陽性であった。口腔領域に発生する悪性リンパ腫の5年生存率は69.7%、びまん性大細胞性B細胞リンパ腫の5年生存率は56.3%であった。
これらの結果からⅰ)顎口腔領域に発生する悪性リンパ腫のうち、予後不良とされる高悪性度の症例・進行例・T/NK細胞リンパ腫は稀ではなく、早期に診断することが必要であること、ⅱ)潰瘍形成はNK/T細胞性リンパ腫の診断に有用な所見である可能性があることが考えられた。本実績は、第64回日本口腔外科学会学術大会にて発表を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究は、口腔領域に発生する悪性リンパ腫の臨床的特徴や免疫学的特徴と、治療法・予後とを関連付けて、鑑別診断から検査項目・治療方針の選択に至るまでの簡潔かつ有用な治療ストラテジーを構築することを目的としている。2020年3月31年時点で、口腔領域に発生する悪性リンパ腫の臨床的特徴や免疫学的特徴、治療法および予後の解析が終了している。
本来であれば肉眼所見・放射線画像所見・血液検査所見・免疫学的所見を悪性リンパ腫の診断を従属変数とした二項ロジスティック回帰分析にかけ、悪性リンパ腫の診断に有意な相関を認める所見を抽出し、治療法の選択・予後予測と紐づけを行ってそれぞれ有意に相関する所見を抽出する作業にかかりたいが、上記の段階で英文にて論文発表する予定となった。論文での論理展開・文献検索にやや手間取っており、やや遅れがみられる。

Strategy for Future Research Activity

口腔領域に発生する悪性リンパ腫の臨床的特徴や免疫学的特徴、治療法および予後の解析について可及的速やかに英文で論文発表を行う。現状での課題として研究遂行者の所属が変更になったことにより指導教員と本研究について協議する機会が減少していることが挙げられる。これについてはメールで頻繁にやり取りすることにより対応を行う。
また、症例数が当初の想定より少ない上、特に古い症例のデータの欠落が多く統計モデルとして有意性が担保されない可能性があることも課題として挙げられるが、肉眼所見・放射線画像所見・血液検査所見・免疫学的所見を悪性リンパ腫の診断を従属変数とした二項ロジスティック回帰分析にかけ、悪性リンパ腫の診断に有意な相関を認める所見を抽出し、治療法の選択・予後予測と紐づけを行ってそれぞれ有意に相関する所見を抽出する作業を速やかに開始し、得られた結果について考察を行う予定である。

Causes of Carryover

次年度はまず現状での研究業績を英文で論文発表するにあたり、英文校正費・投稿料・別刷作成料に使用する。また、さらなる統計解析も進めるため、統計ソフトウェア、周辺機器などのハードウェアにも使用する。さらに、免疫学的解析を追加する場合、試薬も追加購入する。その他、関連する図書・関連学会出席の旅費等に使用する計画である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2019

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 顎口腔領域に発生した悪性リンパ腫の臨床病理学的検討2019

    • Author(s)
      岡村武志、八木原一博、柴田真里、炭野淳、桂野美貴、 石井純一、石川文隆、柳下寿郎、出雲俊之、依田哲也
    • Organizer
      第64回日本口腔外科学会総会・学術大会

URL: 

Published: 2021-01-27  

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