2019 Fiscal Year Research-status Report
GDF11およびmyostatinの顎口腔領域における発現分布の解析
Project/Area Number |
19K24141
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
林 祐太郎 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50845055)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
|
Keywords | Follistatin |
Outline of Annual Research Achievements |
GDF11,myostatinはTGF-bスーパーファミリーに属するシグナル調節因子である. GDF11は発生期における重要な因子として知られているが, 近年では老齢マウスのGDF11レベルを改善することでシナプス可塑性の改善,認知機能の改善,心肥大の抑制,骨格筋の再生が生じる事が報告 されている.また,myostatinは骨格筋の強い負の制御因子として知られている. 一方,顎口腔領域では様々な加齢変化による生理機能低下が見られる.口腔乾燥,味覚障害,サルコペニアなどが挙げられ,これらの加齢変化 は口腔不快感を引き起こし,著しいQOLの低下をきたす. 本研究では様々な条件下でのGDF11とmyostatinの顎口腔領域での発現分布を解析すること,アンタゴニストや受容体タンパク質であるALK群,noggin,chordin,follistatinの発現分布を解析することを目的に行われた.また顎口腔領域での機能の検討のため三叉神経節,舌,唾液腺,咀嚼筋,歯肉においても発現分布の解析を行うことを目的とした. FollistatinはGDF11やmyostatinのアンタゴニストとして知られ,細胞外に受容体と拮抗して結合することでその機能を抑制する.Follistatinの発現分布を解析をすることでGDF11やmyostatinの機能を検討することができる. 当該年度では共著者として"Follistatin expression in the central nervous system of the adult rat"と題した論文をJournal of Chemical Neuroanatomy 105: 2020にて報告した.この報告によってfollistatinの中枢神経系における発現分布が明らかとなった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は研究目的の一つであるfollistatinの発現分布を解析し国際誌で発表したことで研究目的の一部を達成したものと考えられる.しかし,ALK群などの他のアンタゴニスト,受容体の解析や顎口腔領域での解析を行うに至らず,当初の計画以上の進展には至っていない.
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究はGDF11およびmyostatinの機能を調整する様々なアンタゴニスト,受容体の発現分布を解析する余地がある.また,顎口腔領域での機能の検討のため,三叉神経節,舌,唾液腺,咀嚼筋,歯肉などでの免疫染色を行っており,今後この実験結果をまとめ論文投稿を行っていく方策である.
|
Causes of Carryover |
当該年度は所属講座および研究協力講座である本学器官組織解剖学講座にある既存の物品、および試薬を使用するにとどまった。そのため個人で使用するデータ解析器具の購入を主に行った。 次年度はさらに複数の関連蛋白での解析を行うため、抗体、ペプチド、リコンビナントタンパクの購入を要する。また、各動物種の二次抗体は当該年度は新規に購入することはなかったが、既存の試薬の減少のため新たに購入する必要がある。
|
Research Products
(1 results)