2020 Fiscal Year Annual Research Report
タイトジャンクション構成蛋白を標的とした核酸医薬による口腔癌転移阻止療法の開発
Project/Area Number |
19K24147
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
信本 忠義 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (80848565)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | タイトジャンクション |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は,タイトジャンクションの主要な構成蛋白であるclaudin-1が,口腔扁平上皮癌細胞の運動能と蛋白分解活性を亢進させることををみいだした.これらの結果から,claudin-1発現の抑制は,口腔癌細胞の運動能や蛋白分解活性を低下させ,癌の浸潤・転移を抑制すると推測される. 本研究は,claudin-1を標的としたshort interfering RNA(siRNA)のin vivoでの安全性が高く効率的なデリバリーシステムを確立し,claudin-1発現を特異的に抑制することで,口腔癌の増殖や浸潤・転移を阻止する新しい口腔癌治療法を開発することを目的としている. 標的遺伝子に対する高い特異性と確実な抑制効果のため,siRNAによりRNA干渉(RNAi)を誘導する方法が広く用いられている.そのためsiRNAを用いたRNAi誘導によって,癌関連遺伝子発現を抑制し、腫瘍増殖を阻止する試みが数多く研究されてきたが,これまでに有効なin vivoでのsiRNAによるRNAi誘導法は確立されていない.効果的で,安全な生体でのRNAi誘導法を確立し,腫瘍のclaudin-1発現を抑制することができれば,癌の浸潤・転移を阻止する新しい口腔癌治療法へと発展することが期待される. 令和2年度は,claudin-1に対して数種類のsiRNAを設計・作成し,数種類の口腔扁平上皮癌細胞にトランスフェクションし,いくつかのclaudin-1抑制効果を持つ口腔扁平上皮癌細胞の作成を行った。作成したclaudin-1抑制効果を持つ口腔扁平上皮癌細胞の一部では,野生株のそれと比較し,運動能の変化を認めた。
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