2020 Fiscal Year Annual Research Report
Involvement of Hmga2 and tooth root growth and new findings on regenerative treatment
Project/Area Number |
19K24157
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
小玉 裕樹 日本歯科大学, 生命歯学部, 非常勤講師 (20845002)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | Hmga2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、持続的に成長するマウス切歯に焦点を絞り、Hmga2と歯根形成伸長の分子背景について明らかにすることを目的とした。前年度は胎生12日から18日までのマウス胎仔の矢状断での組織切片を作製し、蛍光免疫染色によりマウス切歯におけるHmga2の発現解析を行った。そして2、4、8、12週の野生型マウスとHmga2ノックアウトマウスの下顎切歯をマイクロCTで撮影し、切歯の全長や歯根形成の違い等について観察した。また、象牙芽細胞に分化可能なマウス細胞株のhmga2遺伝子をCRISPR/Cas9システムで破壊したクローンを使用し、リアルタイムPCRを用いて遺伝子の解析を行った。 最終年度は免疫染色の結果を踏まえ、RNA in situ ハイブリダイゼーションにより、切歯におけるhmga2の発現解析を行った。胚形成の初期では、原始口腔上皮細胞と周囲間葉細胞に陽性反応がみられた。帽状期でも、原始口腔上皮細胞の染色反応が微弱ながら認められた。鐘状期では根尖部には反応が認められたが微弱であった。全体を通して免疫染色と比較すると、反応が弱く胎生の日数が進むに従い反応は減弱していった。ただ根尖部および付近の間葉の反応が陽性というのは共通していた。 以上より免疫染色ではHmga2は下顎切歯歯胚に発現し、成長段階に応じてその発現が変化していくことが分かった。in situ ハイブリダイゼーションではさらなる解析が必要である。 ノックアウトマウスの解析を含め、Hmga2 遺伝子の発現が停止することで、歯の成長が遅延することも分かった。in vitroアッセイの結果からも、幹細胞因子であるhmga2が他の幹細胞因子と作用し歯の形成に大きな役割を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)