2019 Fiscal Year Research-status Report
男性ホルモン低下に着目した加齢に伴う高血圧症の発症原因の探求
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19K24170
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
竹内 まどか 名古屋市立大学, 大学院薬学研究科, 助教 (20853659)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | テストステロン / 血管内皮機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の研究により加齢に伴い男性ホルモンが低下することで更年期様の症状が起こることが知られるようになり、男性ホルモンは性分化だけでなく生命維持への重要性が示唆されている。しかし、男性ホルモンが心血管系組織に及ぼす影響に関しては十分な研究がされておらず、男性ホルモン低下に伴う血管機能障害発症のメカニズム解明が求められている。。 これらの背景より、我々は加齢に伴う男性ホルモンの低下が加齢に伴う高血圧症発症の要因ではないかと仮説を立てた。この仮説を検証するため、これまでの研究成果をふまえ申請者らが研究を進めてきた従来の薬理学的研究とメタボローム解析研究に加え、エピジェネティクス解析技術を応用し、男性ホルモンが遺伝子制御ネットワークに及ぼす影響を明らかにし、男性ホルモンと動脈硬化の因果関係を明らかにすることを目的とした。 本研究では実験モデルとして、性成熟が完了した12週齢の雄性Wistar STラットを用いて以下のモデルを作成した。男性ホルモンを低下させるため、ラットから精巣を摘出することで去勢(castration; Cast)を行うCast群、ラットを去勢した後に男性ホルモンとしてtestosterone含有チューブ(T-tube)を皮下に埋め込み男性ホルモン補充療法を行うCast+T群、およびコントロールとして開腹縫合のみのSham手術を行うSham群を作成した。 血中テストステロン濃度を測定したところ、Sham群で7.57±1.31ng/mL、Cast群で0.08±0.07ng/mLと有意な低下が観察された。一方、Cast+T群では7.68±0.27ng/mLと有意な上昇が観察され、Sham群と同程度まで改善した。Cast群に対してT-tubeの埋込術を行ったところ、3時間後に7.68±0.45ng/mLと速やかな上昇がみられることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度では実験モデルの作成中、COVID-19の世界的な蔓延がみられたことにより、モデル動物の作製を見合わせた。また、摘出サンプルの測定を行っている課程でCOVID-19の影響により大学への立ち入り制限がみられたため、解析に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
モデル動物の作製と摘出サンプルでの測定を並行して行い、血管機能評価の解析を効率的に進める予定である。
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