2019 Fiscal Year Research-status Report
夜勤によるパフォーマンス低下と自己評価に関する研究
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19K24187
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health,Japan |
Principal Investigator |
西村 悠貴 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 過労死等防止調査研究センター, 特定有期雇用職員 (30846754)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 夜間勤務 / パフォーマンス / パフォーマンス認知 / パフォーマンス予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代の日本は、昼夜を問わずに社会活動が営まれている。そのような途切れない社会活動は夜間労働者によって維持されているが、一方で本来の生物学的リズムからは逸脱した勤務となる夜間勤務においては、労働パフォーマンスや安全性の低下が指摘されている。 そこで、本研究では夜間労働中のパフォーマンス変化と、特にその変化がどのように労働者本人に知覚されているのか、を模擬的夜勤実験を行うことで検証している。客観的なパフォーマンスと主観的なパフォーマンスの間に乖離が生まれると、労働者の自覚を促すことは難しく、ミスなどが起こりやすい状態になってしまう。そこで、夜間労働に関する基礎的な知見として、夜間労働中のパフォーマンス低下は主観的にはどのように知覚されるのかに着目した。 本課題の初年度である令和元年度は、交付決定前から一部準備や実験を実施し、交付決定後に本格的にデータ取得及び解析を行った。実験では、一度に最大6名の実験参加者を対象に睡眠統制と夜勤を模した本実験を実施し、本実験中に複数回パフォーマンス測定とアンケート調査を実施した。実験後に順次アンケート調査のデータ化と、パフォーマンス計測の解析を実施した。これらの結果は公表に向けたとりまとめ作業と並行し、次年度以降の実験実施に当たる検討材料としても活用している。 交付決定から半年程度のため、現時点で結果の対外的な公表は行っていないが、来年度中の学会・学術誌等における発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付決定前から実験に用いるプログラム、機材、アンケート調査票の準備等を進めていたため、スムーズに実験を実施することができた。初年度の目標としてた人数分のデータも得ることができ、解析にも取り掛かることができたため、おおむね順調に進展したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画では、初年度の結果も踏まえたうえで追加実験および学会等における成果発表が予定されていた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、実験の実施が困難であるだけでなく、学会等の成果発表の場も延期あるいは中止となっている。 したがって、新型コロナウイルスの感染拡大状況も見極めながら実験の可否を判断し、必要であれば研究年度の延長を申請することも視野に入れている。 実験ができない期間中は、初年度に得られたデータの解析・精査に注力するとともに、スムーズな実験実施に向けた準備を実施する。
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Causes of Carryover |
物品費に関しては、購入予定であった機材の一部が汎用機器で代用可能であり、節約することができた。したがって、次年度以降の実験実施時に、実験機材の購入等によって使用する予定である。 旅費に関しては、参加予定であった国際学会に職務の都合上参加することができなかったため、次年度以降に参加することとした。 人件費・謝金については、実験協力先との費用負担比率の調整によって、支払いが不要となったため、次年度以降に使用することとした。 その他の予算に関しては、論文出版コストに充当する予定であったが、成果発表を次年度以降に実施することとしたため、次年度使用額が生じることとなった。
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