2019 Fiscal Year Research-status Report
国際的な比較を可能とする新しい言語障害スクリーニング検査の開発
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19K24192
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
荒木 謙太郎 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任研究員 (30845136)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 失語症 / 構音障害 / 高次脳機能障害 / スクリーニング検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際的な比較を可能とする脳損傷後の言語障害スクリーニング検査(STAD)の開発について、2019年10月27日マカオで開催された、Academy of Aphasia (AOA) 57th Annual Meeting において口演した。 タイトル:Development of worldwide screening test for communicative disorders after stroke for international comparisons. DOI:10.3389/conf.fnhum.2019.01.00010 AOAは1962年に設立され、失語症の分野において長い歴史のある国際学会である。これまでの開催地は、主に欧米で行われてきたが、本年はアジア圏で初となるマカオで行われた。従って、アジア圏の参加者が多いと見込まれたため、今回の報告の目的は、日本発となる本研究をアジアへ展開していくこととした。発表当日は、多施設間共同・前向き研究で行った、本邦の脳卒中314症例のSTAD結果から、これの優れた診断精度について報告した。更に、一連の報告を通して研究協力者を募り、アジア圏、とりわけ英語を公用語とする香港・シンガポール・フィリピンの大学関係者や臨床家と、英語版STAD開発に関する国際共同研究について議論することができた。 研究のアウトリーチ活動として国内では、2019年11月24日Gene株式会社、2019年12月9日一般社団法人福岡県言語聴覚士会にて招待講演を行い、有職者の参加者、各々29名・65名にSTADの臨床的な用い方を体系的に解説した。 また、発展途上国におけるSTADの研究が、一部の青年海外協力隊の活動として始まっており、現地語に翻訳されたSTADは現在30症例に行われている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国際誌に投稿した論文は、一旦リジェクトされ、大幅なリバイズの後再投稿を求められている。現在、論文のすべての部分を見直しているが、想定外の時間を要しており、これにより全体として研究の進行の遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは論文の受理に向けて最善を尽くす。後述する予定外の費用が捻出されたため、英文校閲会社なども積極的に利用し早急に進めていく。論文の投稿後は、AOA学会において興味を示した、香港・シンガポール・フィリピンの大学関係者、臨床家らとともに英語版STADのデータを収集していく。同時に、発展途上国における使用と、将来の標準化に向けた研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
当初、AOA学会の参加費・旅費は科研費に計上していた。しかし、STAD研究は大阪大学、共共拠点、若手人材育成部会渡航支援の審査において採用され、AOAでの学会発表に関わる費用は全てこちらから得られたため、科研費の予定した予算には達しなかった。次年度予算では、国際誌の受理に向けた英文校閲料金や掲載費、次回の国際学会発表に用いる。
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Research Products
(1 results)