2023 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活動作の改善に着目した肺炎患者のリハビリテーションクリニカルパスの作成
Project/Area Number |
19K24239
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
花房 謙一 目白大学, 保健医療学部, 教授 (70846865)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2024-03-31
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Keywords | 市中肺炎 / リハビリテーション / クリティカルパス |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,市中肺炎患者を臨床で担当する作業療法士に第57回日本作業療法学会において,前年度までに研究した結果を提示しながら,今後の臨床研究の可否について検討を実施した.臨床家の意見として,新型コロナウイルスが5類に移行したが,現場の状況としては市中肺炎の起炎菌が新型コロナウイルスとそれ以外という区分は難しく,研究者が計画した時点での市中肺炎患者に対するリハビリテーション(以下,リハ)プログラムは現状と合致せず,現在の市中肺炎患者のリハは以前にも増して症例ごとに対応が違うというものであった.したがって,市中肺炎患者のリハクリティカルパスを現時点で多施設研究として試行することは難しいのではないかという結論であった.我々は新型コロナウイルスが蔓延する以前に,市中肺炎患者の自宅復帰率を向上させることを目的として,リハクリティカルパスの作成を計画した.初年度は市中肺炎患者に対する多施設のリハ状況を明らかにすることを目的としてアンケート調査を実施し,その結果を第54回日本作業療法学会にて報告した.そして,次年度に初年度の調査結果を元にリハプログラムを試案し,介入研究を予定したが,新型コロナウイルスの蔓延により,協力施設の協力が得られなくなった.新型コロナウイルスが蔓延している中で協力が得られたのは聞き取り調査であったため,リハクリティカルパス作成のために,取り組み内容が具体的に把握できなかった作業療法について聞き取り調査を実施した.その結果,作業療法は従来報告されている日常生活動作訓練だけでなく,施設によっては理学療法士と同様に呼吸練習を実施することや言語聴覚士が不在の施設では嚥下練習に取り組むこと,また独自の再発予防に対する取り組みをしていることが明らかとなった.今後は、これまでの結果を踏まえ、現在の臨床現場に即した研究計画を練り直す必要性が確認された。
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