2020 Fiscal Year Research-status Report
壮年期の脳血管疾患の人に特化した状態把握ツールの開発
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19K24270
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
竹山 美穂 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (20846852)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | 脳血管疾患 / 壮年期 / 可視化 / 数値化 / 状態把握 / ツール / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、65歳以下の壮年期の脳血管疾患の人に特化した状態把握ツールを開発することである。このツールは、医学的には問題とならないが回復・生活を困難にしている要因について、本人の視点で可視化・数値化できるようにすることを目指し作成している。 2019年度は、ツールに必要なアイテムプールを収集するために、脳血管疾患を発症した16名にインタビュー調査を行った。2020年度は、さらに5名のインタビュー調査を追加で実施し、合計21名から協力を得て豊富なデータを得ることが出来た。現在は、インタビュー調査によって得られた結果をもとに、尺度項目を作成している。 さらに、インタビュー調査で明らかになった壮年期の脳血管疾患の人の体験について、質的にも分析を行った上で2題について学会発表につなげることができた。ひとつは2020年12月に日本脳神経看護学会で「壮年期に脳血管疾患を発症した人の体験-足への志向と意味に着目して-」と題し、当事者の体験の中でも特に訴えの多い足への志向性と意味について明らかにし支援の必要性について言及した。別件では、日本赤十字看護学会に抄録が採択され、「壮年期に脳血管疾患を発症した人の体験-社会的回復に着目して-」と題し、当事者の体験に目を向けた社会的回復とその意味について、2021年7月の学会開催時に発表予定である。また、今後は学会発表を行った2題の内容について、国内外の学会に論文投稿を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新設学部開設による大学業務の多忙さに加え、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)による大学業務の変更に次ぐ変更に影響され、合間をぬって研究を行うための時間の確保が難しく、集中して研究に取り組むことが非常に難しかった。 また、研究協力施設が急性期病院のため、新型コロナウィルス感染症・緊急事態宣言などにより、外部者が立ち入ることができない状況になったこと、感染予防のための大学の方針もあり、インタビュー調査後の内容妥当性の検証を行う調査を進めることができなかった。緊急事態宣言が明けても研究協力施設の一つは、コロナ専門病院に指定されてしまい、当初の計画通りに進められない状況となっている。 現在、対面での調査を行わなくても進められるようオンラインを使用した計画に変更し、所属大学の倫理審査で許可を得ることができた。緊急事態宣言が解除されている期間に、研究協力施設のひとつに相談し、倫理委員会による審査を受けて再開していく予定である。 また、研究を進めていく傍ら、学会発表を行った2題の内容について論文化を進めていき、社会への還元に貢献したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、インタビュー調査のテープ起こし代として業者に委託したため、多額の費用を使用した。また、最新の研究資料や統計手法にまつわる専門書・脳神経外科および看護についての専門書について新たに購入した。 本年度は、尺度項目の内容妥当性の検討を実施する際の協力者への謝礼として使用する予定がある。また、300~400名規模の予備調査と本調査を実施予定であるため、印刷費と郵送費ならびに研究協力への謝礼費を必要とし、使用する予定である。データを収集したのちには、膨大なデータ入力の際は業者への委託費用として使用する予定がある。また、学会発表のため旅費を使用すること、論文投稿のためのネイティブチェックに関わる外部委託費も使用する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)ならびに緊急事態宣言などにより、研究協力施設である急性期病院に立ち入ることが出来ず、予定していた研究計画が進まない状況にあったため、予算の使用計画にも大幅な変更が必要になった。現在、対面での調査を行わなくても進められるようオンラインを使用した計画に変更し、所属大学の倫理審査で許可を得ることができた。緊急事態宣言が解除されている期間に、研究協力施設のひとつに相談し、倫理委員会による審査を受けて研究を再開していく予定である。 研究を再開したのちには、尺度項目の内容妥当性の検討を実施する際に協力者への謝礼として使用する予定がある。また、300~400名規模の予備調査と本調査を実施予定であるため、印刷費と郵送費ならびに研究協力の謝礼費を必要とし、使用する予定である。データを収集したのちには、膨大なデータ入力の際に業者への委託費用として使用する予定がある。また、学会発表のため旅費を使用すること、論文投稿のためのネイティブチェックに関わる外部委託費も使用する予定である。
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Research Products
(2 results)