2019 Fiscal Year Research-status Report
若年者乳癌検診の実態とその利益不利益を評価する研究
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19K24275
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
松本 綾希子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 特任研究員 (50847556)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 乳がん検診 / 若年者 |
Outline of Annual Research Achievements |
全国に支部を有する検診機関と協力し、若年者検診の実態を調査した。具体的には、都道府県支部それぞれから30歳以上の乳がん検診受診者(自治体検診、職域検診ともに)について、検診モダリティ、受診者数、要精検者数、生検受診者数、がん発見数などを収集した。これにより、30歳代のがん発見率は40歳以上と比べて明らかに低いことが分かった。モダリティ(マンモグラフィ、超音波検査、マンモグラフィと超音波検査併用)により差はなかった。要精検率は若年者が著名に高いということはなかった。以上をまとめると、若年者に対する検診は罹患率の低さから発見率が低いため、要精検率は高くないものの不要な検診であるといえる可能性がある。 また、全国の各自治体でガイドライン外の乳がん検診(超音波検診や40歳未満に対する検診)がどの程度行われているか、自治体のウェブサイトを一件ずつ調査した。その結果、自治体によって実施率は大きく異なっていたが、多くの自治体で科学的根拠が明らかでない検診が実施されていることが分かった。 2020年度は、全国がん登録の罹患データを利用し、年齢および都道府県別の乳がんの発見契機、進行度などにつき調査をする計画であり、現在利用申請中である。以上の調査結果を統合し、30歳代の受診率・発見がんの進行度分布を比較し、過剰診断割合の推定をこころみる予定である。40歳代以降の罹患率に有意差がないのに、30歳代の受診率の差が大きい都道府県間で罹患率や早期癌割合に有意差があるならば、検診による過剰診断の可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画した調査はおおむね完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度も計画どおりに推進する。
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Causes of Carryover |
研究協力機関に対するデータ提供料を次年度に支払う予定のため。
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