2020 Fiscal Year Research-status Report
生体膝関節運動における脛骨高原および半月板の形状が及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
19K24295
|
Research Institution | Health Science University |
Principal Investigator |
遠藤 悠介 健康科学大学, 健康科学部, 助教 (20850564)
|
Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
|
Keywords | 前十字靭帯損傷 / 脛骨後方傾斜角度 / 三次元動作分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament; ACL)損傷において膝関節の解剖学的構造は危険因子として一定の見解が得られている。特に脛骨後方傾斜角度はACL損傷の受傷メカニズムと関連すると考えられおり、屍体膝を用いた研究において、脛骨後方傾斜の存在がACLを断裂させる運動を生じさせることが明らかになっているが、生体の膝関節バイオメカニクスとの関連は不明である。本研究の目的は脛骨高原に存在する脛骨後方傾斜角度が膝関節バイオメカニクスに及ぼす影響を検証し、ACL損傷の発症リスクを予測するための基礎的データの一端を担うことができるようになることである。 2019年度に実験環境の構築を行い、三次元動作解析のためのプログラムスクリプトを開発・修正した。2019年度後半に第1研究として、膝関節MRI画像の撮像を31名62脚(男性15名、女性16名)に実施した。計測した膝関節のMRI画像より画像解析ソフトウェアを用いて脛骨後方傾斜角度の計測を実施した。また第2研究として、被験者の片脚着地動作時の三次元動作の計測を実施した。本研究の動作計測に用いたPoint Cluster法を応用した研究結果を公表した(Endo et al., Medicina. 2020)。脛骨後方傾斜角度と膝関節キネマティクスの関係について解析を実施した。2020年度では表面筋電図の解析を実施し、概ね解析が終了し、第1研究として研究対象者の脛骨後方傾斜角度の研究成果をまとめた論文を公表した(Endo et al., Asia Pacific Journal of Sports Medicine, Arthroscopy, Rehabilitation and Technology.2021)。一部追加解析が必要な項目に関しては引き続き2021年度も解析を実施していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、研究計画を変更したが、変更後の計画としてはおおむね順調に進展している。昨年度の修正した研究計画に従い、計測項目に若干の変更はあるものの、変更後の予定対象数の計測は終了している。現在は解析および研究成果の公表に着手している状況である。本研究の第1研究の研究成果は2021年1月に国際誌に掲載し、公表している。今後は第2研究の成果公表を本年度中に行うことを目標とする。
|
Strategy for Future Research Activity |
計測は完了しており、今後は解析結果のまとめが完了次第、論文執筆を進めていく。すでに第1研究として、健常者の脛骨後方傾斜角度の特徴については研究論文として掲載されている。今後は脛骨後方傾斜角度とバイオメカニクスの関係を、第2研究として研究論文投稿を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
研究に必要な機材を大学予算として購入する予定になり、物品購入用予算の使途計画を変更したため。また、国際学会などの学術集会への参加が渡航禁止等によって困難になり、学会参加費等に計上していた予算を使用しなかったため。
|
Research Products
(3 results)