2019 Fiscal Year Research-status Report
負荷依存的なCa2+シグナルが骨格筋肥大・サルコペニアに与える影響
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19K24306
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation at Kobe |
Principal Investigator |
伊藤 尚基 公益財団法人神戸医療産業都市推進機構, その他部局等, 研究員 (50746534)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 筋肥大 / 筋萎縮 / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、負荷によって筋細胞内Ca2+シグナルが急速に活性化することを発見し、この負荷依存的なCa2+シグナルの活性化が、筋肥大促進因子mTORを活性化することを明らかにしてきた(Ito N et al., Nat Med. 2013. Ito N et al., Channels. 2013. Ito N et al., Int J Mol Sci. 2018.)。本研究では、筋細胞内Ca2+シグナルに着目し、運動負荷と骨格筋量の増加(タンパク質合成の活性化)を繋ぐ分子機構を解析する。 さらに、”Ca2+シグナルの機能破綻がサルコペニアを生じさせる”という仮説を検証し、サルコペニアに対する分子標的・創薬技術基盤を構築する。
当該年度では、筋細胞内Ca2+シグナルを評価する実験系を確立した。また、その実験系により、負荷依存的なCa2+シグナルが筋肥大促進因子mTORを活性化する分子機構の解明に繋がる端緒を得た。引き続き、負荷依存的なCa2+シグナルが筋肥大促進因子mTORを活性化する分子機構、mTORと協調して活性化される負荷/Ca2+シグナル依存的な遺伝子発現ネットワーク、Ca2+シグナルの機能不全/改善がサルコペニアに与える影響、の3つを解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はCa2+シグナルがmTORを活性化する分子機構を薬理学的・遺伝学的手法により明らかにすることを目的とした。当初の目的通り、薬理学的な手法を用いることで、Ca2+シグナルがmTORを活性化する分子機構の解明に繋がる端緒を得た。これらの結果から、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、加齢筋を用いた解析を行う。Ca2+シグナルによるmTOR活性化機構が、加齢筋においてどのように変化するか検討することにより、Ca2+シグナルの機能破綻がアナボリックレジスタンスやサルコペニアに与える影響を明らかにする。
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Causes of Carryover |
(理由) 研究計画および研究実施状況などに遅延はないが、次年度使用額が生じた。 (使用計画) 次年度は、Ca2+シグナルの破綻がアナボリックレジスタンス・サルコペニアに与える影響を解析する予定であり、引き続き、本研究費用に充当する。
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