2020 Fiscal Year Research-status Report
BCAA摂取がトレーニング休止に伴うミトコンドリア減少を抑制するメカニズムの解明
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19K24310
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 裕 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (10850133)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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Keywords | BCAA / ミトコンドリア / トレーニング休止 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスに対し4週間のトレーニングを行わせ、その後2週間のトレーニング休止期間中に水またはBCAAを摂取させた。摘出した骨格筋において解析を行ったところ、トレーニング休止期間中のBCAA摂取によって骨格筋ミトコンドリア量の減少を抑制することが確認された。続いてその機序を解明するためにミトコンドリアの合成および分解の観点から検討を行った。その結果、トレーニング休止期間にBCAAを摂取することで、ミトコンドリアの生合成に関与するタンパク質には影響が見られないものの、ミトコンドリアの分裂・分解に関与するタンパク質量を減少させることが明らかとなった。また骨格筋からミトコンドリアを単離したサンプルにおいても同様に、BCAAを摂取することでミトコンドリアの分解に関与するタンパク質を減少させることが確認された。 ミトコンドリアは生合成で新しいものが作られ、分解によって不良なものが除去されるといった一連のサイクルで品質管理を行うと考えられている。そのため、BCAA摂取によるミトコンドリア分解機構の抑制は、不良なミトコンドリアの蓄積を招く可能性が考えられる。しかし、本研究においては、質的評価の指標である呼吸能力や活性酸素種の産生量において差が見られなかった。以上の結果から、トレーニング休止期間中のBCAA摂取は、ミトコンドリアの分解機構を一部抑制して量の減少を抑制させること、またその際にはミトコンドリアの質的な変化には影響を与えない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
感染症拡大に伴う研究活動の制限があり、運動パフォーマンステストを行うことができなかったため
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Strategy for Future Research Activity |
BCAA摂取によってトレーニング休止に伴うミトコンドリアの減少を抑制することができた。ミトコンドリア量は持久的運動能力と関係があることから、今後は実際の運動パフォーマンスに与える影響を明らかにする予定である
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Causes of Carryover |
参加を予定していた学会がオンライン方式に変更になり、旅費を支払う必要が無くなったため。 運動パフォーマンスの評価を行うための費用として、翌年度に使用をすることを計画している。
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Research Products
(1 results)