2022 Fiscal Year Research-status Report
Japan - UK comparative research towards developing a school platform to meet the needs of children with learning difficulties
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19KK0054
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
遠藤 野ゆり 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (20550932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 徳子 山口大学, 教育学部, 准教授 (00555708)
佐藤 桃子 島根大学, 学術研究院人間科学系, 講師 (10792971)
大塚 類 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (20635867)
SENNECK ANDREW 山口大学, 教育学部, 講師 (70769041)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | 特別な教育的ニーズ / 貧困 / 子ども食堂 / コミュニティ / 学校のプラットフォーム化 / 発達障害 / 生きづらさ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、研究チーム全体での研究会の実施と、研究メンバーそれぞれの独自調査との二手に分かれて研究をおこなった。中心となるのは個人の調査であるが、全体での研究では、各自の研究内容を整理し、全体のバランスを整えるために実施した。 まず全体では、夏、冬と2回にわたる研究会を実施した。その中では、イギリスの学力をめぐる新たな問題を明らかにする『学力工場の社会学 英国の新自由主義的教育改革による不平等の再生産』(クリスティ・クルツ 2020)の検討会を実施した。また当該の図書の翻訳を担当した仲田氏に講演を依頼し、議論をおこなった。 個別の研究は、当初の予定どおりの学校でのフィールド調査を進めた。これらは今後論文としてまとめていく予定であるが、本年度は、研究報告書に掲載するにとどまった。さらに新たに開拓した研究分野として、子ども食堂と学校との連携の問題がある。子ども食堂のような地域の活動は、一般的には学校から切り離されており、学校との連携は難しいことが指摘されている。しかし日本の国内には、いくつかの学校で、子ども食堂の取り組みが実施されているなど、試験的な実践も進んでいる。2022年度は、そうした団体とアクセスし、研究協力の予定まで取り付けるように進めてきた。 また2022年度には、イギリスおよびデンマークでの調査を実施した。これらの内容についても2023年度に論文化する予定であり、2022年度の業績としてはまとまるに至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、その開始当初から、Covid-19の影響を強く受けて、遅れている。国際共同研究であり、海外での調査を基本とする研究でありながら、実際には国外出張が長い間難しかった。2022年度は、個別に延べ2回の海外調査が実施できたが、本格的な調査の実施は2023年度になる。これには、Covid-19の直接的影響だけでなく、それに伴う調査対象のイギリスの学校の国内情勢の変化も指摘できる。そのため、2023年度に実施予定だった調査も一部は、研究期間を延長し、2024年度以降に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず大きな方針として、研究期間を延長し、遅れている研究は後ろ倒しにして実施していく。本研究は、当初の研究期間としては2023年度が最終年度であったが、以上の理由から、2023年度は研究の後半の開始となる。 2023年度は、すでに蓄積のある国内の研究については、論文化など、形にまとめていくことをスタートする。特に、学校のプラットフォーム化というテーマを体系だって整理し、本研究から明らかになったことを、最終的に一つの形にするために、不十分なままになっている領域を埋めていく。 国外の調査は、本格化して進めていくことにする。イギリスの調査だけでなく、オーストラリアやデンマークなど、当初の予定にはなかった地域でも、研究協力を得られる見込みが立っており、そうした地域での調査も進めていく。 2023年度のこうした大幅なフィールド調査をもとに、2024年度は、海外から見た日本の状況についての調査を行い、比較検討を行う。それを踏まえて、2025年度までに、全研究の集積を業績としてまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
本研究は、研究の開始と同時にCovid-19の影響を受けて、大幅に遅れている。特に、海外の調査が実施できないことは、国際共同研究である本研究において致命的であった。そこで本研究期間全体を2年程度延長したうえで今後も研究を続けていく。基本的には、当初の計画を後ろ倒しにしていき、それに伴って経費を使用する。本年度は、当初の予定では2020年度から実施する予定であった海外調査を再開し、経費は主としてそのために用いる。
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Research Products
(4 results)