2019 Fiscal Year Research-status Report
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19KK0061
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
芦沢 真五 東洋大学, 国際学部, 教授 (00359853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 利枝 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構, 研究開発部, 教授 (00271578)
花田 真吾 東洋大学, 国際学部, 准教授 (00635865)
関山 健 京都大学, 総合生存学館, 准教授 (90583576)
野田 文香 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構, 研究開発部, 准教授 (20513104)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 高度外国人材 / 外国学歴・資格認証 / 東京規約 / 資格の電子認証 / クローニンゲン宣言 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年11月以降の研究実績としては、2020年2月から3月に北米、欧州、豪州における調査を実施した事が大きな成果である。 2月11日、WES(World Education Service)のカナダ代表事務所を訪問し、CICIC(The Canadian Information Centre for International Credentials)のNathanael Poli氏などと面会し、カナダにおけるFCEの歴史的経緯、評価機関の運営について調査した。モントリオール(12日)では、ARUCC(Association of Registrars of Universities and Colleges in Canada)の代表者に聞き取り調査をおこなった。2月13日から14日にかけて、ニューヨークのWorld Education Service(WES)本部を訪問し、WESにおけるFCE業務、移民支援プログラムなどの取り組みについて最新情報を得た。 2月19日から21日にかけて、Swedish Higher Education Council(UHR)の電子認証システムの開発状況について訪問調査を実施した。 3月3日からの豪州調査では、My eQuals Programの開発主体である Higher Ed Servicesの関係者と面会し、システムの開発経緯などの説明をうけた。3月6日には政府機関でのヒアリングに加え、Australian National Universityを訪問し、留学生を選抜する新システムについてレクチャーを受けた。 海外調査のまとめとして、海外から専門家を招致し、公開セミナー「学修歴・資格認証(FCE)と証明書の電子化」を3月12日に開催する予定であったが、コロナ禍の影響により、オンラインセミナー(Webinar)に変更して実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度の後半において新型コロナ禍の影響を受けながらも、北米、欧州、豪州における調査を実施し、必要な情報収集が進んだことは大きな成果である。特に各国における成績・資格関連の書類の認証システムに関する最新情報、電子化に向けてフォーマットの標準化とシステム開発の進捗状況について、詳細な情報を入手することができたことは、大きな成果物としてあげることができる。一方、3月12日の研究会においては、コロナ禍の影響により、ゲスト・スピーカーを日本に招聘することができない状況となってしまった。しかし、オンラインによる公開研究会(Webinar)の形で実施できたため、研究成果発表の面では、一定の成果を上げることができた。総合的にみると、当初の予定どおりの調査を行うことができたことから、順調に推移しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度においては、前年の国際調査を継続して、証明書類の電子化について世界的な潮流を把握する。欧州においては、European University Information Systems Organization (EUNIS)をはじめ欧州政府関係者、大学関係者へのヒアリングを継続するとともに、米国のNational Student ClearinghouseおよびAACRAO、中国のCHESICCなどでのヒアリングを実施する。また、電子化にかかわる主要なベンダー(Degitaryなど)についても調査をおこなう。さらに、証明書類の電子化に関してニーズ調査を国内外の大学関係者を対象に実施する予定である。 2020年度の調査の中で特に注目する点は、各国のシステム開発において、異なる大学のニーズをどのようにシステムに反映させたか、という分析をおこなうことである。たとえば、豪州のシステム、My eQualsでは、最初のパイロット段階で影響力のある著名大学が参画したこと、Universities Australiaがリーダーシップを発揮したこと、成績や資格証明書をデジタル化する利点について丁寧に説明をしたことなどが、このプロジェクト成功につながったと思われる。多様なニーズに対応した開発経緯を分析していくことは、日本など他のアジア諸国にも示唆となりうる。 また、資格電子認証に関し、仮想的システムを実験的に立ちあげる準備をすすめる。これは、国内ニーズ調査を円滑にすすめるうえで、証明書類の電子化に関する画像イメージを明確化することが目的であり、日本の大学などで導入された場合を想定したバーチャルな実験として実施する計画である。
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Causes of Carryover |
2019年度は3月12日に国際共同公開セミナー「学修歴・資格認証(FCE)と証明書の電子化」を開催する予定であったが、新型コロナ禍にともないオンライン開催としたため、予定額を下回った。2020年度においては可能な限り、海外調査の継続と共同セミナーの開催を模索していく。
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Research Products
(15 results)