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2021 Fiscal Year Research-status Report

近赤外線分光観測で探る銀河系円盤の未開拓領域における中性子捕獲元素の合成

Research Project

Project/Area Number 19KK0080
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

松永 典之  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (80580208)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小林 尚人  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (50280566)
辻本 拓司  国立天文台, JASMINEプロジェクト, 助教 (10270456)
鮫島 寛明  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教 (10748875)
濱野 哲史  国立天文台, ハワイ観測所, 特任研究員 (70756270)
Project Period (FY) 2019-10-07 – 2023-03-31
Keywords近赤外線高分散分光 / 恒星化学組成 / 中性子捕獲元素 / 銀河系円盤 / チリ共和国
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、近赤外高分散分光観測によってセファイド変光星などの中性子捕獲元素組成を計測し、銀河系円盤においてそれらの元素がどのように増えたかを調べることである。そのために、我々が開発したWINERED赤外線分光器をチリ共和国のラスカンパナス天文台にあるマゼラン望遠鏡(口径6.5m)に設置して観測を行う。マゼラン望遠鏡は、米国のカーネギー天文台(ラスカンパナス天文台の上位機関)が他の5機関と共同で運用しているもので、本計画ではチリの天文台での観測を米国の研究者と共同で進める。
2021年度には、2022年1月にマゼラン望遠鏡での観測を行う予定であった。しかし、昨年度から続く新型コロナウイルスの流行のため日本から人員を送ることができず、年度中に観測を行えなかった。ラスカンパナス天文台も最低限の運用状況が続いており、外部からの訪問は禁止されていた。2022年7月に観測を予定している。
一方、すでに取得していたWINEREDスペクトルデータの解析を行い、セファイドなどの化学組成を測定する基礎的な研究を進めた。特にすでに化学組成が知られている標準天体となるセファイドのWINEREDスペクトルを用いた研究では、3種の中性子捕獲元素(Zn、Y、Dy)を含む8種の元素について可視光高分散スペクトルによる解析と同程度の精度(0.1dex)で組成を測定できることを示した(Scarlet Saez Elgueta、博士論文、2022年3月、東京大学)。他の中性子捕獲元素として、Srも数本の吸収線がセファイドのスペクトルに現れることを確認しているが、それらは非常に強い吸収線であり、現時点では高い精度の組成測定が難しい。それらの吸収線も使えるようにすることは今後の研究の重要な課題であるが、Srが含まれるs過程元素のグループのひとつとして、Yの組成測定が行えることを確認できたのは重要な成果である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

チリ共和国のラスカンパナス天文台にあるマゼラン望遠鏡におけるWINERED分光器を用いた観測について計画が遅れている。新型コロナウイルス(COVID-19)の流行によって、チリへの出張をキャンセルせざるを得ず、装置の設置や観測の作業を進めることが出来なかった。

Strategy for Future Research Activity

WINERED分光器のマゼラン望遠鏡への設置および観測については、チリへの出張が可能となったタイミングで現地で行う予定である。現在、2022年5月に現地で準備を行い、2022年7月16~19日に観測を行う予定であり、カーネギー天文台のAndrew McWilliam博士ら関係者と随時状況を確認しながら準備を進めている。また、過去の観測ですでに得ていたWINEREDの観測データのうち本研究と関連するものを用いて共同研究を行う。一方、WINERED分光器以外の装置を用いて、本研究に関わる観測を行うなど、今後さらに観測データを収集する努力を続ける。限界等級の深いマゼラン望遠鏡とWINERED分光器の組合せと比べて、観測できる天体の範囲やデータの質が制限されるが、研究目的の一部を達成することは可能である。これまでに、すばる望遠鏡のIRD分光器およびIRTF望遠鏡のiSHELL分光器を用いる観測のプロポーザルを提出した。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス(COVID-19)に流行によって、2021年度までに行う予定であったマゼラン望遠鏡(チリ共和国・ラスカンパナス天文台)での観測を行うことが出来なかった。また、海外の共同研究者の研究機関に滞在することも不可能であった。このため、全ての出張計画はキャンセルとなり、そのための旅費は翌年度に使用することになった。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Int'l Joint Research (2 results)

  • [Int'l Joint Research] カーネギー天文台/テキサス大学オースティン校(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      カーネギー天文台/テキサス大学オースティン校
  • [Int'l Joint Research] ローマ大学トルベルガータ校(イタリア)

    • Country Name
      ITALY
    • Counterpart Institution
      ローマ大学トルベルガータ校

URL: 

Published: 2022-12-28  

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