2021 Fiscal Year Research-status Report
Mechanism study of hydrogen embrittlement by martensite transition visualization system and X-ray tomography
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19KK0095
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内一 哲哉 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (70313038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 翔 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (10826225)
榎 浩利 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (90160374) [Withdrawn]
飯島 高志 東京理科大学, 理学部第一部応用物理学科, 教授 (90356402)
Kim Hyunjeong 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 主任研究員 (00614645)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 材料評価 / 破壊力学 / 非破壊評価 / 水素脆性 / オーステナイト系ステンレス鋼 / X線CT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,相変態の観点からのオーステナイト系ステンレス鋼の水素脆性のメカニズム解明を解明するために,水素チャージ材の材料試験時にマルテン サイト変態のその場観察を定量的に行う新しいシステムを開発し,相変態のモニタリングを行う.開発したシステムを用いて得られる定量的な相変態の時系列情 報と,弾塑性数値解析と熱力学平衡計算との結果を比較することにより,マルテンサイト変態が水素脆性に寄与するメカニズムを明らかにする.3年目にあたる 2021年度は,以下の研究について実施し,成果を上げた. 日本側メンバーが相手機関のフランスINSA-Lyon に滞在し,水素チャージ試験片のマルテンサイト変態可視化システムによるマルテンサイト相分布の評価結果とX線CT分析によるマルテンサイト相分布との比較を行い,課題を抽出した.具体的には,水素チャージした試験片に対する疲労試験とSSRT試験を実施し,マルテンサイト相の分布の推定を行った. 相分析の分解能に課題があることが判明し,フランスのシンクロトロン放射光施設での測定を計画した. 研究期間を1年延長することにより対応する. また,水素チャージにより加工誘起マルテンサイト変態が促進されるということが,マルテンサイト可視化システムによる相分析から明らかになった.日仏参加研究者でオーステナイト相の安定性,水素による固溶硬化など,可能性のあるメカニズムに着目して検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2年目の2020年度に生じたコロナ感染症の影響による実験の制限,日仏の往来の制限が影響しており,研究計画全体が遅れている.その中で2021年度は日本側研究者がフランスに滞在することにより遅れを取り戻している.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の研究期間を1年延長し,相分布測定の分解能の課題を, フランスにおけるシンクロトロン放射光施設での相分布解析により解決する.この測定は,水素チャージにより加工誘起マルテンサイト変態が促進されるというあらたな知見のメカニズム解明にも資するものと考えている.
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の影響により研究計画に遅れが生じている.また,本研究において水素脆性に関するあらたな知見がえられており,そのメカニズムを解明するために,シンクロトロン放射光施設における計測が必要になった.また,相変態シミュレーションによりメカニズムを解明する必要性も生じた.計測を行うための施設利用料と旅費,シミュレーションに要する経費に充てる.
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Research Products
(3 results)