2022 Fiscal Year Annual Research Report
A multi-scale, multi-physics modeling framework to predict and design biomaterials based on FINEST observation
Project/Area Number |
19KK0169
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 史彦 九州大学, 農学研究院, 教授 (30284912)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 良奈 九州大学, 農学研究院, 助教 (80817263)
今泉 鉄平 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (30806352)
|
Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
|
Keywords | 農業工学 / マルチスケール / シミュレーション / イメージング / ポストハーベスト工学 / バイオマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、(1)ナノスケール観察では、加熱処理法の違いが凍結貯蔵ダイコンのペクチン構造的特徴に及ぼす影響について調査した植物組織に80℃以上の高温熱処理を加えるとβ脱離反応を介してペクチン鎖構造が分解され、組織の硬さ低下につながる.一方で、50~60℃の低温で加熱するとペクチンメチルエステラーゼ(PME)活性によりペクチンの多糖類が脱メチル化され軟化を抑制し、さらに隣接するペクチン鎖と二価のイオンを通して架橋結合し、硬度の維持に寄与するため食感の向上につながる.ここでは、凍結前に低温(60℃-90分)加熱および高温(90℃-30分)加熱を行い、加熱条件の違いがナノスケール構造に与える影響を明らかにすることを目的とし、原子間力顕微鏡(AFM)によるペクチン組成や微細構造変化観察を行った.その結果、低温加熱を行ったサンプルでは線状構造が長くつながった構造が形成され、ペクチンの架橋結合が促進されることを明らかとなった.加えて、FINEST材料製造では、生物由来高分子繊維を骨格とし、疎水性と抗菌性を強化するための各種精油、可塑剤、ナノ金属粒子などを様々な比率で混合することで用途に応じた機能性を持つ材料をデザインするとともに、この生物由来材料膜を通した水蒸気、酸素、二酸化炭素などのガス透過特性を整理し、シミュレーションに資するデータを取得した。 つぎに、(2)マイクロスケール観察では、マイクロスケール観察では、X線μCTを用いた2、3次元構造解析をカキ果実について行い、貯蔵期間中における諸物性値の時空間分布変化を明らかにし、より現実的な拡散現象予測モデルに深化させた。 最後に、(3)FINEST解析フレームワークの構築では、マルチスケール解析により青果物の各種物性値時空間分布を得るとともに、これを基に呼吸によるカキ果実内ガス濃度の変化を予測し、モデルの妥当性を実験により検証した。
|
Research Products
(11 results)