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2022 Fiscal Year Research-status Report

感染対策の進むフィリピンにおけるマラリア免疫応答の記憶維持に関する国際共同研究

Research Project

Project/Area Number 19KK0207
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

由井 克之  長崎大学, 熱帯医学研究所, 特命教授 (90274638)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 井上 信一  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20466030)
バヤルサイハン ガンチメグ  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (80841353)
Project Period (FY) 2019-10-07 – 2024-03-31
Keywordsマラリア / 免疫記憶 / フィリピン / 感染対策 / 抗体 / T細胞
Outline of Annual Research Achievements

マラリア流行地では、感染を繰り返すことによりマラリアに対する免疫を獲得し発症が抑制される。しかしながら、このような免疫は感染がなくなると消失しやすいことが知られている。東南アジアではマラリア対策が進み、感染撲滅地域も出てきているが、免疫が持続しない場合、将来再感染が起きた時の感染の拡大が憂慮される。
そこで、本研究はマラリアに対する免疫記憶に関するフィールド基礎データを得るため、英国London School of Hygine and Tropical Medicine (LSHTM)と国際共同研究を行い、感染対策の進むフィリピンで現地研究者と協力し、マラリアが既に撲滅された地域、対策が有効な地域、依然として流行がある地域において抗マラリア免疫応答の調査研究を行う研究計画である。
研究は2019年度後半に開始されたが、2020年、2021年はCOVID-19パンデミックのため、現地での調査研究は実施できず、2022年初めて可能になった。2022年度は従来同様、長崎大学とLSHTMの間で研究打ち合わせ及び共同大学院学生指導を2週間に一度程度ZOOMにより行った。これらの議論を経て、LSHTMを中心に過去にフィリピンで実施した調査研究の結果をまとめ、論文投稿に至った。
新たな調査研究実施については、フィリピンでの必要な資材を購入し、現地に送付した。7月、長崎大学とLSHTMの研究者がフィリピンに集結し、フィリピン熱帯医学研究所研究員と共同で、フィリピンMorong地区で現地ボランティアの採血を行った。血液成分は実験用に分離後凍結した。また、フローサイトメトリー解析の準備のため、機器のあるサンラザロ病院を訪問し、準備状況を確認した。マラリア流行地区のあるパラワン島でのサンプル収集は2023年度に予定しており、これらサンプルをまとめて実験解析する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

研究は2019年度後半に開始され、当初予定ではフィリピン現地における調査研究を中心に実施する予定であった。しかしながら、2020年、2021年はCOVID-19パンデミックのため、現地での調査研究は実施できず、2022年度に初めて可能になった。マラリア流行地区を含むパラワン島については、COVID-19の流行終結が他地域に比べ遅れ、2022年においても渡航制限があり、マラリア流行時期を捉えることができなかった。また、現地の状況が流動的であったため、サンプル採取を完遂することはできなかった。これらの理由により、この期間に予定した調査研究は、遅れにつながっている。
一方、長崎大学とLSHTMの研究者間で、十分な打ち合わせと過去の研究データの取りまとめを行う時間は、十分に確保することができた。

Strategy for Future Research Activity

当初の予定では2022年度が本研究計画の最終年度であったが、COVID-19パンデミックの影響で十分研究を進めることができなかったため、一年間の延長申請を行った。2023年度は、予定されたフィリピンマラリア流行地での調査研究を実施し、サンプルを用いた実験解析を行い、結果を取りまとめる予定である。なお、サンプル採取については、実験期間の縮小に伴い当初予定の人数と採血回数を確保することは困難であるため、規模を縮小して行う予定である。数が少な場合でも、当初予定したように、マラリア流行状況の異なる地域で住民の抗マラリア免疫応答の違いを明らかにできるよう、実験解析方法を工夫する。

Causes of Carryover

COVD-19パンデミックによる過去三年間の海外調査研究の遅れの影響が続き、フィールド研究の遅れが回復できていない。当初計画では2022年度終了であったが、一年間延長した。2023年度に調査研究と取りまとめを実施する。

  • Research Products

    (8 results)

All 2023 2022 Other

All Int'l Joint Research (2 results) Presentation (6 results)

  • [Int'l Joint Research] LSHTM(英国)

    • Country Name
      UNITED KINGDOM
    • Counterpart Institution
      LSHTM
  • [Int'l Joint Research] RITM(フィリピン)

    • Country Name
      PHILIPPINES
    • Counterpart Institution
      RITM
  • [Presentation] メトホルミンによるマラリア原虫抗原特異的T細胞応答の増強2023

    • Author(s)
      西川月、北里海雄、由井克之、鵜殿平一郎、都田真奈
    • Organizer
      第92回日本寄生虫学会大会
  • [Presentation] mRNA 含有脂質ナノ粒子を用いた肝細胞期マラリアワクチンの開発2022

    • Author(s)
      中前早百合、宮川聡史、小川昂輝、簡 君宇、案浦 健、由井克之、平山謙二、川上 茂、水上修作
    • Organizer
      第91回日本寄生虫学会大会
  • [Presentation] マラリア原虫感染初期のIFNγが原虫特異的CD4+T細胞のメモリー化に与える影響2022

    • Author(s)
      井上信一、イブラヒーム ヤロブ、バルサヤン ガンチメグ、マカリナオ マロウ、木村一美、由井克之
    • Organizer
      第91回日本寄生虫学会大会
  • [Presentation] Early inhibition of IL-27 promotes Th1 memory formation in Plasmodium-specific CD4+ T cells2022

    • Author(s)
      M Macalinao, 井上信一、S Tsogtsaikhan, J-Y Jian, G Bayarsaikhan, 木村一美、J Hafalla, H Yoshida, K Kimura, 由井克之
    • Organizer
      第91回日本寄生虫学会大会
  • [Presentation] Distinct roles of IL-27 produced by innate cells in shaping the immune response against Plasmodium parasite2022

    • Author(s)
      G Bayarsaikhan, 井上信一、木村一美、吉田裕樹、由井克之
    • Organizer
      第51回日本免疫学会総会
  • [Presentation] Role of γδ T cells in antigen specific CD4+ T cell response to Plasmodium chabaudi infection2022

    • Author(s)
      Y Ibraheem, G Bayarsaikhan, M L Macalinao, 木村一美、由井克之、井上信一
    • Organizer
      第51回日本免疫学会総会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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