2020 Fiscal Year Research-status Report
カナダにおけるノンバイナリー概念から見るジェンダーの変容
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19KK0307
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鶴田 幸恵 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (00457128)
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Project Period (FY) |
2020 – 2022
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Keywords | トランスジェンダー / ノンバイナリー / ジェンダー / 性別二元論 |
Outline of Annual Research Achievements |
コロナ禍でも、調査研究のための渡航が可能か検討し、コロナ禍であることに対応しながらであれば可能であると結論し、渡航の準備、渡航を実行した。現在まだ渡航したばかりであるが、共同研究者であるアーロン・デヴォーと、ランチミーティングを行い、可能な限り、カナダでの調査研究を共同で行うこととなった。これからカナダでの調査研究を開始する予定である。インタビュー調査がコロナ禍で、どのように可能であるかは、多くの研究者が関心を寄せていることであり、本調査研究が実際にそれに挑戦することには、大きな重要性がある。 これまでの手持ちのデータの分析では、トランスジェンダーの活動家のデータを分析し、性別秩序に対抗するカテゴリーのセットの中の要素として、トランスジェンダー・性同一性障害・ノンバイナリー・フェミニストを割り振り、様々なトランスジェンダーの下位カテゴリーとフェミニズムのラディカルさを、共通のものとして位置付ける実践を記述した。 また、オンライン上にあるデータのうち、北米を中心としたトランスジェンダーのオーラルヒストリーアーカイヴス、特に、ニューヨーク市のプロジェクトと、ミネソタ大学のプロジェクトのものの視聴・分析を進めた。両方のプロジェクトの構成のされ方をつかんだ。また、なるだけ、ノンバイナリーという概念の使われ方に着目しながら進めたが、その結果、何人かのキーパーソンが見つかった。今後それらの人びとの書いたものや映像を追っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
カナダのビクトリア大学のアーロン・デヴォーと連絡を取り、また現地の状況について情報収集し、コロナ禍であっても、予定通り渡航することにした。ただし、コロナ禍であることが影響し、入国の手続きをオンラインで行ったため、2週間ほど出発が遅れた。それでも、無事に4月14日に渡航した。 ただし、調査がコロナ禍であるために、どのように行えるか見通しが悪くなり、ビクトリア大学での倫理申請をクリアするハードルが上がっている。これについては、渡航後に再調整し、クリアしていくことを目指す。7月に調査を開始するよう目標設定をしていたが、秋口になりそうな見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、研究計画を提出後に見つけた、いくつかのトランスジェンダーのデジタルアーカイヴズのデータを分析し、自分が調査可能なことの見通しを立て直す。第二に、倫理申請を行い、試験的な調査を実行する。第三に、調査を実行をしながら、データをトランスクライブし、分析を進めていく。
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Research Products
(2 results)