2020 Fiscal Year Research-status Report
Indigenous Autonomy in Latin America
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19KK0325
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
舟木 律子 中央大学, 商学部, 准教授 (20580054)
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Project Period (FY) |
2019 – 2021
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Keywords | ラテンアメリカ / 先住民自治 / 自治制度 / 質的比較分析 / 制度運用 / 土地権 |
Outline of Annual Research Achievements |
在外研究期間であった前年度に引き続き、2020年度も本研究課題に取り組むため、カナダ・ヨーク大学ラテンアメリカ・カリブ研究センターに拠点を置きながら研究した。同大のゴンサレス氏と引き続き密に連絡を取り合いながら、基課題(若手B)で取り組んできた先住民自治の制度化に関して、土地の権利に焦点を絞り、制度化の現状とその運用実態についてのこれまでの研究結果を論文にまとめることができた。まとめた論文は、共同研究者らによる査読を受け、査読コメントへの修正作業を進めることができた。これと同時に、報告者自身も本国際共同研究プロジェクトのコーディネータの一人として、研究協力者らの研究論文の草稿8本の査読を担当し、先住民自治に関する最新の研究成果の完成度をさらに高めることに貢献するとともに、そこから貴重な情報を得ることができた。その後、共同研究に参加するほぼ全ての論文が2回の査読と修正作業を完了した2020年11月からは、共同研究のコーディネータ5名で書籍の序章を執筆した。 また2020年11月には、2度のオンライン研究会を実施した。初回は出版予定の研究成果について情報提供および意見交換をする目的で、米州人権委員会副委員長アントニア・ウレホラ氏、先住民問題国際NGO(IWGIA)と、報告者を含む国際共同研究コーディネータ5名、研究協力者7名を招いてのオンライン研究会を実施し、貴重なフィードバックを得られた。また2回目は、同じ共同研究の共同研究者・研究協力者計27名で、オンライン研究会を実施した。研究会ではそれぞれの研究者の研究成果についての概要報告と、それらの研究をまとめた書籍の序章の草稿に関しての意見交換があり、これを元に序章の修正作業を進めた。その後2ヶ月間は最終的な校正作業を行い、2021年4月に出版することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は、先住民自治制度の、特に土地の権利に関して、制度と運用のギャップの質的状況を比較可能な形で整理し、論文にまとめることができた。また同論文を含めた米州の先住民自治に関する研究プロジェクトの成果を、国際共同研究者らとともに一冊の書籍として出版するための編集作業を予定通り進めることができた。 当初計画にあった国際学会での研究発表はコロナ禍の影響もあり見送ることとなったが、その分、研究成果をより広く発信できるようウェブサイトを立ち上げ、オンラインでの研究会も2度実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続きコロナ禍の影響を受けることとなるため、積極的にオンラインでの研究発表の機会を活用していく。すでに2021年4月に国際共同研究の成果を報告するためのオンライン研究会が開催され米州を中心に100名以上のオーディエンスを得られた。同様の研究イベントを5月と8月にも開催する予定である。また、5月末にオンライン開催されることとなった国際学会(米ラテンアメリカ学会LASA)にも、共同研究者らとともにパネル報告する予定である。 またここまでの土地の権利の制度と運用のギャップの実態に研究成果の発信と合わせて、今後はその「結果現象」に影響を与えたと考えられる「原因条件」に関する質的資料の収集を進め、夏から冬にかけてそれらの資料の分析作業を進めていきたい。
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Research Products
(5 results)