2021 Fiscal Year Research-status Report
Indigenous Autonomy in Latin America
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19KK0325
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
舟木 律子 中央大学, 商学部, 准教授 (20580054)
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Project Period (FY) |
2019 – 2022
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Keywords | ラテンアメリカ / 先住民自治 / 自治制度 / 質的比較分析 / 制度運用 / 土地権 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまで取り組んできた国際共同研究の成果として、2021年4月に書籍Autonomias y Autogobierno en la America Diversa を出版した。またこれに合わせて、書籍の第一部Constrictum Post-Multicultural(ポストマルチカルチュラリズムの限界)については4月21日、報告者を含む編著者が登壇し、研究発表をした。つづく第二部Grietas, Recuperar lo perdido y reconstruir(亀裂、失ったものを取り戻し、再構築する)は5月19日、第二部を構成する各章を執筆した編著者らが報告した。また、8月19日には、マプーチェ族をめぐる自治の現状を研究した著者らと、ボリビアの事例研究を行った著者らによって、チリで進行中の制憲議会をテーマとするオンライン講演会を開催した。 上記とは別に、2021年4月27日に、米ラテンアメリカ学会(LASA)の2021年度研究大会にて、パネル報告「多様なアメリカ州の先住民領域における自治と自治政府」を行った。共同研究者ら4名と共に研究報告し、プロジェクト外部より依頼した討論者のMaria Teresa Sierra氏からフィードバックをいただいた。その内容はブラジルの学術誌(REVISTA SOBRE ACESSO A JUSTICA E DIREITOS NAS AMERICASBrasilia, v.5, n.2,jul./dez.2021)において書評としても出版された。また11月20日にオンラインで開催された関西行政学研究会にて、同研究に関する方法論を中心とした報告を実施し、12月3日には、マレーシアのマラヤ大学ラテンアメリカ研究所(CLAS)より依頼を受け、オンライン研究会 Asia Latin America Dialogues にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、書籍の出版と合わせて、オンラインでの研究成果の発表の機会を積極的に活用してきた。これと同時に、世界的なコロナ感染状況の推移を見守りながら、2022年4月の実施を予定した対面での社会還元イベントの企画準備を、カナダの研究協力機関であるヨーク大学のゴンザレス氏とともに進めた。その一環として、2021年11月にはゴンサレス氏を研究代表者とする国際ワークショップ企画が、カナダ社会・人文科学研究会議(SSHRC)の研究助成基金に採用された。これを踏まえて米州人権委員会・先住民の権利作業部会、および先住民問題国際NGO(IWGIA)とともに、企画の具体化と準備を進め、中米の先住民問題をめぐる若年のキーパーソンを対象として、1週間のワークショップEmancipatory Autonomies in Central America: A Knowledge-Exchange Workshop(中米における解放の自治、於コスタリカ)を開催することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2022年4月に開催された国際ワークショップで深められた議論を、先住民自治に関心を寄せる研究者、実務家、他地域の先住民コミュニティとも共有すべく、報告書にまとめ公開する予定である。またこれと合わせて、2022年8月開催予定のカナダ・ラテンアメリカ学会(CALACS)において共同研究者およびワークショップ参加者とともにパネル報告する方向で調整を進めているところである。
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Research Products
(5 results)