2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20001002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
末包 文彦 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 准教授 (10196678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久世 正弘 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (00225153)
住吉 孝行 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (30154628)
川崎 健夫 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00323999)
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Keywords | ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 原子炉 / 素粒子 / Double Chooz / KASKA / 混合角 / θ13 |
Research Abstract |
H22年度は、ダブルショーFar検出器の建設を継続し、夏までに本体を完成させ、秋から液体シンチレーターの導入を行った.本研究グループは,光液体送液装置の開発と元東北大の中嶋が現地に滞在し液入れ作業を行った.12月23日にデータ収集開始のプレスリリースを発表した.その後,東工大の石塚が現地に長期滞在し、中心となりコミッショニングを行った.2011年3月末には検出器の調整を終え,LED光を用いて各光電子増倍管のゲインやタイミングの較正を行い、物理データ収集を開始した.これと平行して首都大学の前田が光電子増倍管の高電圧電源システムを実験現場に設置し、それらを正常に稼働させるとともに、制御・モニターシステムを立ち上げた。本研究グループは、日米欧の3つの独立した解析グループの一つになり、新潟大学川崎がオーガナイザーとなり物理解析を行った.解析グループの相互チェックとブラインド解析の結果、短い距離でのニュートリノ振動の兆候を世界で始めて検出し、θ13角の有限値、 sin22θ13=0.086±0.041(stat.)±0.030(syst.) を得、2011年11月9日に発表を行った.この比較的大きいsin22θ13の結果は、ニュートリノ研究の将来性に道を開くため非常に重要である.11月10日記者会見を行い、TV、新聞などに取り上げられた(研究成果の新聞掲載等報告書で報告済み).発表後、本研究グループのメンバーが手分けして、大学や研究所のセミナーや、学会などで成果発表を数多く行った.この結果は2012年3月にPhysical Review Letter誌に掲載された.この他に、日本グループ担当の光電子贈倍管の論文と、将来のニュートリノ検出器開発の一環として行っている原子炉ニュートリノ検出器の論文がNuclear Instruments and Methods Aにそれぞれ掲載された.
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