2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノグラフェンの端の精密科学:エッジ状態の解明と機能
Project/Area Number |
20001006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
榎 敏明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10113424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 賢一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (60262143)
高井 和之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (80334514)
若林 克法 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究員 (50325156)
横田 泰之 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (00455370)
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 / 電子・電気材料 / 磁性 / ナノ材料 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
(1)相対角25°を有するグラフェンの鋭端でのラマン散乱の実験を行った。アームチェア端と特定される端から反対側の端までスキャンし、ラマンGバンドの強度、シフトを観測した結果、強度は場所依存性を持たないにもかかわらず、大きなシフトが観測された。このことは、アームチェア端と25°をなす反対側の端が大きなアームチェア端成分をもつこととともに、大気中に存在する酸素の吸着による電荷移動が2つの端で大きく異なることを示唆している。 (2)酸化グラフェンを非接触AFMにより調べ、約9nmの間隔で配列した1次元皺の周期構造を見出した。これは、ジグザグ方向に、エポキシリング配列することによって出来る酸化構造であり、1次元酸化グラフェンを挟んで、ジグザグナノグラフェンリボンが形成されたことと理解される。また、AFM針により、意図的にカットすることにより、グラフェンナノ構造の作成に成功した。 (3)グラフェンのアームチェア端近傍にhexagonalな超格子構造とその3回対称の微細構造を見出した。理論解祈により、これは、アームチェア端における電子波のK-K'谷閥散乱による干渉効果であることが明らかとなった。 (4)端構造が修飾されたナノグラフェンの電子状態を、強結合模型および第一原理計算によって解析することで、AB副格子間に強い非対称を導入することで磁性発現が可能であることを理論的に提案した。また、グラフェンナノリボンのラマン分光特性を、連続体模型によって解析し、グラフェンの端形状に依存した偏向依存性を明らかにした。 (5)イオン液体中でグラファイト電極との界面にイオン液体のイオンペアの大きさに相当する層からなるステップ構造が生じることを電気化学FM-AFM観察により見いだした。平坦で電荷をもたないグラファイト電極上でも局所的に厚みの異なる層構造が液体中でも安定に存在することを示した。
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Research Products
(101 results)
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[Journal Article] Raman characterization and UV optical absorption studies of surface Plasmon resonance in multishell nanographite2011
Author(s)
V.Yu.Osipov, A.V.Baranov, V.A.Ermakov, T.L.Makarova, L.F.Chungong, A.I.Shames, K.Takai, T.Enoki, Y.Kaburagi, M.Endo, Y.A.Vul
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Journal Title
Diamond and Related Materials
Volume: 20(2)
Pages: 205-209
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Observation of magnetic edge-state in graphene nanoribbon2010
Author(s)
V.L.Joseph Joly, M.Kiguchi, K.Takai, T.Enoki, R.Sumii, K.Amemiya, H.Muramatsu, T.Hayashi, Y.A.Kim, M.Endo, M.Terrones, M.S.Dresselhaus
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Journal Title
Phys.Rev.B
Volume: 81
Pages: 245428(1-6)
Peer Reviewed
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[Presentation] グラフェンナノリボンにおける磁性エッジ状態の観測2010
Author(s)
木口学, V.L.Joseph Joly, 〓思嘉, 高井和之, 榎敏明, 雨宮健太, 隅井良平, 村松寛之, 林卓哉, Y.A.Kim, 遠藤守信, J.Campos-Delgado, F.Lopez-Urias, A.Botello-Mendez, H.Terrones, M.Terrones, M.S.Dresselhaus
Organizer
日本物理学会2010年秋季大会
Place of Presentation
大阪府立大
Year and Date
2010-09-23
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