Research Abstract |
1.多様な頭蓋形状の患者に対応し,皮質や海馬にあるてんかん原性域の推定精度を高めるために,頭蓋特徴点をもとに,8個の頭蓋内脳波誘導電極の位置を求めた.2.頭蓋骨ファントム中に生理食塩水を入れ,8個の頭蓋内電極によって得られた電位分布から,電流ダイポールの位置を,高さ方向に6mmの精度で推定できた(専門医の推定精度と同等).3.刺激用電極(白金)付きマイクロクライオプローブを3種類(0.7mm^φ,1.2mm^φ,1.5mm^φ)試作し,過渡応答特性から定常温度に達するのに約10分を要することが分かった.4.グラスファイバー先端にマイクロレンズを取り付け,脳内を模擬した寒天内でHO-Yagレーザーを照射し,光エネルギーを分散させずにできるだけ深く浸透させる最適値があることが分かった.5.脳組織への損傷を少なくするためにSMAガイドの形状を円形にし,その上に6個微細白金電極を実装し,動物実験でその有効性を示した.6.差動増幅する機能をもった32チャンネルCMOS計装増幅回路を設計し,東大VDECで0.18μm CMOSプロセスで試作した.7.埋込み安全性の高い冷却水還流型脳局所冷却プレートを用いて,ネコ大脳皮質の冷却を実施した(動物実験).8.脳局所冷却の血液脳関門(BBB)への影響を,ラットを用いて調べた(動物実験).冷却によって,てんかん焦点に対する直接かつ局所的な抗てんかん薬の投与の可能性が示唆された.9.てんかん焦点である海馬や側頭皮質に対し,ペルチェ冷却デバイスによる冷却中の脳波,脳血流,マクロダイアリシスによる脳代謝を測定した(臨床研究). 10.マルチモダリティ脳波解析によるてんかん原性域の推定を実施した(臨床研究).11.冷却部周辺の皮質領域における基礎データの収集のため,レーザースペックル二次元血流計を用いて,周辺領域の皮質血流を計測した(臨床研究).
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