Research Abstract |
(1)多様な形状の頭蓋骨に対して,複数解空間競合型分散GA(mcDGA)という複数信号源推定アルゴリズムを開発し,ミリ単位の推定精度を実現した.(2)チタニウムを材料とするクライオプローブを試作し,MRI下で画像歪なく使用可能であることを確認した.(3)紫外線領域から赤外線領域までの種々のレーザー光で生体組織を焼灼したところ,波長の長いレーザー光の方が水分によく吸収され,熱に変換されやすく,効率の良い焼灼が実現できた.(4)乳幼児に,装着負荷の軽い光トポグラフィーを用いて,発作時のてんかん焦点域の推定を行ったところ,臨床的に有用性,容易性が確認された.(5)凍結およびレーザー焼灼を用いたてんかん原性域破壊法に関しては,薬剤誘発皮質てんかんラットを用いた研究から,組織破壊領域外への組織損傷を引き起こすことなく,てんかん原性域の破壊が可能であることが分かった.(6)局所脳冷却によるてんかん原性域の抑制に関しては,すでに試作してあったプロトタイプの局所脳冷却装置を利用し,サルおよびネコの薬剤誘発てんかん発作を抑制できることが確認された.(7)皮質冷却は,てんかん放電を抑制するだけでなく,脳保護的な作用を持つことをてんかん症例で示した,(現在,臨床研究に利用する局所脳冷却装置の開発と,薬事審査申請に向けた準備を進めている.)(8)硬膜下に留置可能な低侵襲硬膜下電極アレイを,フレキシブルプリント基板(FPC)技術を用いて高密度実装し,長期留置の際にも,皮質脳波計測に適した電気インピーダンス特性を示すことを明らかにした,(9)サルの大脳皮質からペニシリンGで誘発されたてんかん性放電を試作電極アレイにより計測できることを示し,本手法がてんかん焦点推定に有用であることを明らかにした.(10)平成23年度に試作した32ch皮質脳波増幅回路が,サルのてんかん性放電を所望のゲインで増幅できることがわかった.
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