2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Primate foundation of human cognitive development
Project/Area Number |
20002001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Specially Promoted Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
MATSUZAWA Tetsuro Kyoto University, 霊長類研究所, 教授 (60111986)
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Project Period (FY) |
2008-06-04 – 2013-03-31
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Keywords | 認知発達 / 記憶 / 象徴 / 言語 / 霊長類 / チンパンジー / ボノボ |
Research Abstract |
本研究は、主としてチンパンジーを対象に、その「思春期から青年期に到る時期」、すなわち「子どもからおとなになる過程(8歳から12歳の時期)」での認知発達に焦点をあてた研究をおこない、その心の発達の全体像を描き出すことを目的とした。 チンパンジーの子どもを母親から隔離せず、なかまと集団生活する個体を主な研究対象とする「参与観察法」と呼ぶ新たな研究法をもちいる。また、野生チンパンジーの生態と行動の研究も同時並行し、実験研究と野外研究、観察と実験という手法を融合した新たなアプローチをめざした。 研究対象は、霊長類研究所の1群14個体(9歳から43歳までの3世代)と、アフリカ・ギニアのボッソウの野生群13個体(0歳から約50歳までの3世代)を主対象にした。また京都市動物園と東山動物園とソウル動物園で暮らすチンパンジー集団も対象とした。 下記の3つの実験場面を確立した。1)社会的場面:複数個体を対象とした競合あるいは共同作業の検討。2)対面検査場面:人間と同様な対面検査の実施。3)個体学習場面:1個体のみを対象とした「タッチパネル付きコンピュータをもちいた学習の解析、である。さらに、個体学習場面と社会的場面を融合して、2台のコンピュータを連動させ、2人のチンパンジーが協力する課題を設定する。こうした場面を通じて、人間の認知発達の霊長類的基盤を科学的に明らかにする研究計画である。 なお、こうした人間の認知発達の霊長類的基盤を探るには、最も近縁なチンパンジーの研究が必須だが、それ以外の多様な霊長類にも目配りした総合的な研究を目指した。
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Research Products
(14 results)