2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20002002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
圦本 尚義 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80191485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正一 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (60397023)
坂本 直哉 北海道大学, 創成研究機構, 特任助教 (30466429)
大槻 かおり 福岡大学, 理学部, 助教 (90570185)
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Keywords | 地球化学 / 宇宙化学 / 惑星起源・進化 / 同位体 / 隕石 / 太陽系 / 質量分析 |
Research Abstract |
本研究では,我々により推進してきた同位体顕微鏡による隕石の解剖学をさらに発展させ,隕石のいわゆる『解体新書』を作成する。その成果に基づき,太陽系創世時代とそれに直接つながる先太陽系時代の物質進化を解明し,宇宙における太陽系の特殊性と一般性を区分した新しい太陽系起源論を構築する。そして物質に刻まれた証拠に立脚した汎惑星系起源の構築に挑戦する。具体的には「始原隕石中にのこる先太陽系時代の物質の系統的な研究」,「太陽系における酸素同位体異常とその他元素の同位体的均質性の起源と進化の解明」,「太陽系創世時代の物質進化」の課題に取り組み目的を達成する。本年度は以下の研究成果が得られた。 1.始原隕石は地球に落下する三大隕石種から始原状態を維持しているものを選定し,分析試料の作成を継続した。 2.太陽系を作った原材料物質の起源と種類を解明するため,隕石の種類毎に先太陽系物質の特徴・存在度についてデータベース作成を継続した。 3.太陽系の平均酸素同位体組成を解明するため,太陽系創世時代の太陽風と小惑星上の流体包有物の酸素同位体組成の測定を継続した。 4.サブミクロン分解能をもつ同位体イメージングを用いて16Oに富む物質と,逆に17,18Oに富む物質の存在度と分布の測定を継続した。 5.太陽系創世期の物質進化を解明するため,隕石中のCAIとコンドリュールの短寿命核種26Alを用いた年代測定を適用を行い,太陽系創世時代の物質進化タイムスケール解明研究を継続した。 6.同位体ナノスコープを組み上げ隕石分析体制を強化した。 7.酸素同位体交換反応の基礎メカニズム解明のため隕石加熱実験を行った。 8.同位体イメージングのため新しい検出素子とその駆動装置を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同位体ナノスコープLIMASが実用レベルまで開発が進み,希ガス分析が実用化のレベルに達している。また,プレソーラー粒子の探索,分子雲起源の有機物探索等は計画どおり研究が進捗しており,順調に隕石の解体新書が出来つつある。以上の成果により太陽系創成時代とそれに直接つながる先太陽系の物質進化を順調に解明しつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は同位体ナノスコープによる希ガス分析を隕石に適用し,原始太陽系の活動度について研究することにより太陽系創成時代の高エネルギー環境について解明する。またこれまで得られている種々の分析結果を隕石の解体新書とまとめ,将来の惑星探査を用いて検証可能な予言を含む新しい太陽系起源論の提唱に向けた研究を推進する。
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Research Products
(18 results)