2009 Fiscal Year Annual Research Report
転写と染色体領域の視点から見たゲノムDNA損傷位置情報の解析
Project/Area Number |
20012026
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
豊國 伸哉 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (90252460)
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Keywords | 酸化ストレス / 鉄 / DNA修飾塩基 / モノクロナール抗体 |
Research Abstract |
ゲノム情報の変化は発がん過程で重要な役割を果たしている。本研究においては、培養細胞や個体各臓器の細胞のゲノム配列において、紫外線・放射線あるいは鉄を介した酸化ストレスによってDNA塩基への傷害が起こりやすい部位をアレイ技術の応用により網羅的に同定し、その法則性を見いだすことを目的とした。これまでに、私たちは鉄ニトリロ三酢酸(Fe-NTA)腹腔内投与による腎発がんモデルを開発し、その病態に酸化ストレスが関与すること、主要な標的遺伝子にCDKN2Aがん抑制遺伝子やptprz1遺伝子などがあることを示し、ゲノムに酸化ストレスに対して欠損・増幅しやすい領域があることを報告した。今年度は遺伝解析より新たにalninoacylase-1にがん抑制遺伝子としての作用があることを見いだした。昨年度に引き続き、モノクローナル抗体で修飾塩基を含むDNA断片を免疫沈降する技術とマイクロアレイ技術を組み合わせることにより、ゲノム内の酸化ストレスに対する脆弱部位を網羅的に解析した。Fe-NTA腹腔内投与による腎癌モデル初期において代表的な酸化修飾塩基である8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)に対するモノクローナル抗体を使用した実験を反復した。対照のラット腎臓ならびにFe-NTA投与3時間後の腎臓からゲノムDNAを抽出し、制限酵素BmgT120Iで切断後,DNA断片の免疫沈降を行い,8-OHdGを含むDNA断片を回収した。DNA断片を蛍光色素でラベルした後CCGHのアレイにハイブリダイゼーションし解析を行った。すると、8-OHdGは非遺伝子領域に高密度に分布し、遺伝子領域には相対的に低密度に分布することが判明した。ゲノムの遺伝子密度と8-OHdGの存在頻度に有意な負の相関を認めた。分布のパターンそのものは対照と酸化ストレスのかかった状態でほとんど差が見られなかった。CDKN2A部位では酸化ストレス時に8-OHdGの増加を認めた。
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Research Products
(4 results)