2008 Fiscal Year Annual Research Report
各種アミノ酸およびDNAメチル化に関与する食事因子とがん罹患に関するコホート研究
Project/Area Number |
20014006
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
永田 知里 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 教授 (30283295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 弘之 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (90073139)
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Keywords | メチオニン / アミノ酸 / がん罹患 / 前向き研究 / 葉酸 |
Research Abstract |
本研究は、DNAメチル化に関与するメチオニンはじめ各種アミノ酸の食事からの摂取推定を可能とし、がん罹患との関連性を一般住民における前向き研究のデザインで評価することを目的としている。本年度では、岐阜県のがん登録および高山市医師会の飛騨がん登録より、高山市に1992年に開始されたコホート(高山コホート)内におけるがん罹患データを得た。がんり患データは2000年以降も得られたので、追跡期間を延長すべく現在、高山市に除票情報の提供を依頼し、コホート内における死亡者、転居者の把握を行おうとしている。また、現行の食物摂取頻度調査票が各種アミノ酸(ヒスチジンを除く必須アミノ酸とシスチン、チロシン)摂取の推定に妥当であるかを評価した。男性17名、女性20名を対象に調査票による各種アミノ酸推定摂取量と1カ月ごとに12カ月行った食事記録からの同推定摂取量を比較(spearman相関係数を算出)することにより妥当性を評価した。食物摂取頻度調査票より推定されたメチオニン摂取量は男性1,839(SD340)mg、女性1,601(SD 447)mgで食事記録との相関係数は男性0.41、女性0.61であった。相関係数はシスチン0.26(男性)からロイシン0.71(女性)の範囲で、median 0.56と比較的良好な妥当性を示した。この調査票を同目的の前向き研究に用いることは可能であると判断された。本年度のもう一つのバイオマーカーを用いての食物摂取頻度調査票妥当性評価は女性を対象に葉酸とイソフラボン摂取についてそれぞれ血清、早朝尿、午後2時ころの部分尿バイオマーカーを用い評価した。相関係数は葉酸028、ダイゼイン0.46(早朝尿)0.38(部分尿)、ゲニスタイン0.39(早朝尿)0.37(部分尿)であり、これも概ね良好な結果を示した。
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