2009 Fiscal Year Annual Research Report
内胚葉細胞の移動・消化管形成を制御する遺伝子の解析
Project/Area Number |
20016019
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菊池 裕 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 教授 (20286438)
|
Keywords | ゼブラフィッシュ / 内胚葉細胞 / 消化管 / 突然変異体 |
Research Abstract |
(1) マイクロアレイ解析による内胚葉細胞の移動・消化管形成に関与する遺伝子の単離 sox17-gfpトランスジェニックフィッシュからGFPの蛍光を指標にして内胚葉細胞のみをセルソーターで集めるための条件設定を行っている。 (2) 遺伝学的スクリーニングによる内胚葉細胞の移動・消化管形成に異常を示す突然変異体の単離 内胚葉細胞の移動・消化管形成が異常になる変異体をスクリーニングし、候補変異体に関して表現型の詳細な観察を行っている。特に消化管形成が異常になる変異体に関して、詳細な表現型解析を行っている。 (3) 内胚葉細胞で発現するcxcr4a遺伝子の機能解析 sox17-gfpトランスジェニックフィッシュを用いて、Sdf1/Cxcr4シグナルによる原腸陥入期の内胚葉細胞運動の制御機構に関して解析を行った。最初に私達は、cxcr4aは内胚葉細胞特異的に発現しているが、リガンドであるsdf1a, sdf1bは中胚葉細胞に発現していることを示した。Sdf1/Cxcr4シグナルは細胞の移動を制御していることが知られているため、Sdf1/Cxcr4シグナルが内胚葉細胞の移動に関与する可能性に関して解析を行った。アンチセンスモルフォリノオリゴを用いてSdf1/Cxcr4シグナルの阻害実験を行った結果、Sdf1/Cxcr4シグナル阻害胚では3体節期において著しい内胚葉細胞の移動の阻害が観察された。更に、Sdf1/Cxcr4シグナルの阻害により、移動中の内胚葉細胞における糸状仮足形成の低下が観察された。以上の結果よりSdf1/Cxcr4シグナルが内胚葉細胞の移動制御に関わることが示された。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] Cyp26 enzymes function in endoderm to regulate pancreatic field size.2009
Author(s)
Kinkel, M.D., Sefton, E.M., Kikuchi Y., Mizoguchi, T., Andrea B.Ward, A.B., Prince, V.E.
-
Journal Title
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 106
Pages: 7864-7869
Peer Reviewed
-