2008 Fiscal Year Annual Research Report
病原菌が持つメナキノン新規生合成経路の全容解明と経路特異的阻害剤の探索
Project/Area Number |
20018023
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
大利 徹 Toyama Prefectural University, 工学部, 准教授 (70264679)
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Keywords | メナキノン / 生合成 / futalosine / de-hynoxanthine futalosine / cyclic de-hypoxanthinefutalosine / 1, 4-dihydroxy-6-naphthoate |
Research Abstract |
メナキノン(ビタミンK)は、微生物にとって電子伝達系成分として生育に必須である。筆者は、Helicobacter属、Campylobacter属、Wolinella属などの病原微生物や、放線菌Streptomyces属などの微生物では、メナキノンを生合成するにもかかわらず、既知の生合成経路として知られているコリスミ酸からメナキノンに至る5ステップの生合成遺伝子群が全く存在しないことに気づき、その全容解明を試みている。これまでに、バイオインフォマティクスの手法による関連遺伝子の推定と、これら遺伝子の破壊実験により、新規経路は少なくとも機能未知の4つの遺伝子産物により生合成されること、変異株の取得と相補実験により新規経路は既知経路同様コリスミ酸を出発基質とするが、その後全くの別経路を経ることを明らかにした。今年度は新規経路の化合物レベルでの解明を目的とし、生合成中間体を同定するためのアッセイ系を構築し、破壊株からの生合成中間体の同定・精製・構造決定を行った。その結果、2つの中間体の同定に成功した。また、これらを基質に用い、新規経路遺伝子の組換え酵素を用いたin vitroアッセイも行い、さらに2つの中間体を同定し、合計4つの中間体を同定した。これらの結果からコリスミ酸からメナキノンに至る新規気経路の概要を以下のように明らかにすることに成功した。 Chorismate→futalosine→de-hypoxanthine futalosine→cyclic de-hypoxanthine futalosine→1, 4-dihydroxy-6-naphthoate→→→メナキノン
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Research Products
(6 results)