2008 Fiscal Year Annual Research Report
Koechlinの仮説に基づく前頭前野の最前部の機能的検証
Project/Area Number |
20019004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
嶋 啓節 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 助教 (60124583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 敏 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00455792)
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Keywords | デュアル課題 / 細胞活動 / サル / 大脳皮質 |
Research Abstract |
申請者が解明しようとしているのは、最高位中枢である前頭前野における機能局在性、特に、これまでほとんど不明であった前頭前野最前部(BA10)の機能である。 最近、Koechlinらによって脳の最高位中枢である"前頭前野での階層性"について論じた情報処理に関しての興味深い仮説が提唱されている。仮説では、前頭前野を後方部から前方部に沿ってのそれぞれの部位を階層的に順序付けられた実行システムとして捉えている。特に最高位機能を営む前頭前野最前部を複数の差し迫った状況を最適な手順で解決する"ブランチング調節部"と位置づけている。すなわち、この部位の働きによって進行中の複数課題の状況が逐次把握され制御・調節されていることが仮定される。この研究で申請者はマルチ課題遂行VS. 単一課題遂行時のサル前頭前野の細胞活動を比較検討することによって、前頭前野最前部の機能(動作原理)を明らかにしようとしている。課題の基本は主課題Aでありサルは通常、遅延反応課題を行なう。しかしランダムに、遅延期間中に副課題Bが挿入され、この課題遂行後、再び主課題Aに戻る。すなわち、サルは2つの課題を同時進行的に遂行することが要求される。主課題Aの状況は副課題Bの遂行中も記憶しておき(正解のキューの位置)、副課題Bから主課題Aに戻った際に想起することを要求している。申請者の興味の焦点は前頭前野の最前部(10野)と46野がこの時どのような細胞活動を示すかであり、現在、細胞活動を記録するにあたってのサルの課題習得のための訓練を行っており、状況としては訓練のほぼ最終段階にある。
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Research Products
(3 results)