2008 Fiscal Year Annual Research Report
インビボ胎仔大脳皮質におけるクロライドトランスポーターKCC2の翻訳後修飾
Project/Area Number |
20021015
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福田 敦夫 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 教授 (50254272)
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Keywords | クロライドトランスポーター / 皮質板細胞 / 大脳皮質 / 細胞移動 / GABA / タウリン / 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
1. NKCC1の代償的発現増加と異所性KCC2蛋白の膜移行の検討 : [古川、熊田] 胎齢14.5日でflag-KCC2 cDNA plasmidを子宮内電気穿孔法で遺伝子導入した胎仔脳の新生神経細胞でのNKCC1の発現増加はなかった。この細胞を3日間培養し、抗flag抗体・共焦点レーザー顕微鏡を用いた観察で、異所性KCC2局在を細胞膜に認めた。 2. KCC2蛋白の翻訳後修飾の発達的変化の検討 : [福田] 胎齢18.5日では異所性KCC2発現細胞のGABA逆転電位([Cl^-]_i)は異所性KCC2を発現していない細胞(mRFP発現なし)と同等であったが、生後1日と7日において、有意に過分極側へシフトしていた。したがって、この異所性KCC2蛋白に対する抑制は胎生期特異的であると考えられた。 3. KCC2蛋白機能抑制因子の検討-(1)(インビボと分散培養法での比較) : [福田] 胎内環境に存在する何らかのKCC2抑制因子が働いている可能性を明らかにするため、1. と同様の遺伝子導入を行った24時間後に胎仔脳を摘出し、2日間Neurobasal Mediumで培養して、胎齢18.5-19.5日の急性スライス実験と異所性KCC2導入後の日数を一致させ、Flag-KCC2とmRFPを共発現した細胞とmRFPのみを発現した細胞の[Cl^-]_iをパッチクランプで測定して比較した。急性スライスの場合と異なり、培養細胞では、flag-KCC2とmRFPを共発現した細胞のGABA逆転電位は、mRFPのみを発現した培養細胞のGABA逆転電位と比べて有意に低かった。以上から、胎内環境に存在する何らかの因子が異所性KCC2機能を抑制していると考えられた。
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Research Products
(18 results)