2008 Fiscal Year Annual Research Report
孤発性ALSにおけるグルタミン酸受容体RNA編集異常の病因的意義の検討
Project/Area Number |
20023008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
郭 伸 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 准教授 (40160981)
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Keywords | 脳神経疾患 / 孤発性筋萎縮性側索硬化症 / グルタミン酸受容体 / AMPA受容体 / RNA編集 / GluR2 / ADAR2 / 動物モデル |
Research Abstract |
孤発性筋萎縮性側索硬化症(ALS)運動ニューロンでは、AMPA受容体GluR2サブユニットQ/R部位のRNA編集が低下しており、これはRNA編集酵素adenosine deaminase acting on RNA 2(ADAR2)の活性低下によると考えられる. この分子変化が運動ニューロン死の直接原因となることを, 運動ニューロン選択的なADAR2コンディショナルノックアウトマウスADAR2flox/flox/VAChT-Creの解析により明らかにした. ADAR2に依らず編集型GluR2(GluR-BR)を発現する変異マウスと交配して得たADAR2flox/flox/VAChT-Cre/GluR-BR/Rマウスで運動ニューロン死が生ずるかどうかを検討した。GluR-BR/Rマウスは行動, 神経病理学的異常を示さないが, 交配により得られた変異マウスはロータロッドスコアが低下せず, 組織学的検討では, ADAR2の免疫活性を消失した運動ニューロンが20-30%にみられたにもかかわらず, 神経細胞死を示唆する形態的, 生化学的所見はみられなかった。したがって、脊髄運動ニューロンにおけるADAR2ノックアウトは, 専らGluR2Q/R部位のRNA編集異常を通じて神経細胞死を誘導すること, 孤発性ALSではADAR2活性低下が神経細胞死の直接原因であることが明らかになった. さらに, ADAR2flox/flox/VAChT-Creで脊髄運動ニューロン以外の脳運動神経核を検討すると, GluR2Q/R部位のRNA編集率低下は何れの脳運動神経核にも生じているにもかかわらず, 外眼筋神経核は保たれるという, ALSの病変の選択性がみられ, ADAR2活性低下による脆弱性の違いが, ALSの選択病変を再現することが明らかになった.
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Lymphomatoid Granulomatosis Involving Central Nervous System Successfully Treated with Rituximab Alone2008
Author(s)
Ishiura H, Morikawa M, Hamada M, Watanabe T, Kako S, Chiba S, Motokura T, Hangaishi A, Shibahara J, Akahane M, Goto J, Kwak S, Kurokawa M. Tsuii S
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Journal Title
Arch Neurol 65
Pages: 662-665
Peer Reviewed
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