2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20031012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡崎 健一 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 助教 (70402485)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥本 司 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60271029)
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Keywords | イオン液体 / 金属ナノ粒子 / 真空蒸着 / 合金 / 触媒 / 異方成長 |
Research Abstract |
金属ナノ結晶は、粒子サイズに依存した物理化学特性を示し、光エレクトロニクス材料や(電極)触媒などへの応用が期待されている。当研究グループでは、蒸気圧の極めて低いイオン液体に対して金属をスパッタ蒸着することにより、表面修飾剤の添加なしでイオン液体中に均一に分散した金属ナノ粒子の作製に成功している。本年度、この手法で作製される金属ナノ粒子のより詳細な構造制御、合金ナノ粒子の作製、および電極触媒に向けた基板への固定化法について検討した。105℃で3時間減圧乾燥したイオン液体(BMI-PF6)に対して、5Paのアルゴン雰囲気下で5分間、銀をスパッタ蒸着した。この時、蒸着電流を10mAから40mAへと増加したところ、得られる銀ナノ粒子の平均粒径5.7nmから11nmへと増加し、イオン液体中のAg原子濃度も、0.26mmol dm^<-3>から1.4mmol dm^<-3>へと増加した。一方、スパッタリング時間のみを長くしたところ、銀粒子の直径は時間によらず一定となり濃度のみが増加した。このように蒸着電流と時間を制御することにより、生成する銀ナノ粒子の粒径と濃度を制御できることがわかった。また、スパッタ蒸着して作製した、銀ナノ粒子によって誘起されるイオン液体中でのガルバニ置換反応を利用して、AuAgナノ粒子を作製することに成功した。この時の合金組成は、イオン液体中の塩化金酸の濃度で自在に制御できることがわかった。さらに、金をスパッタ蒸着したイオン液体(TMPA-TFSA)をグラファイト電極上に滴下したのち150℃で加熱することにより、グラファイト電極上に金ナノ粒子が緻密に集積化することを見出した。この電極を用いて、酸素飽和KOH水溶液中でサイクリックボルタモグラムを測定したところ、酸素の2電子還元に由来する還元ピークが確認された。また、数サイクル測定した後も電極上の金ナノ粒子の形状や固定状態にほとんど変化はなく、安定な電極触媒として作用することがわかった。
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Research Products
(17 results)