2008 Fiscal Year Annual Research Report
蝶の羽ばたき飛翔における環境創成による移動知発現のメカニズム
Project/Area Number |
20033009
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
泉田 啓 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (60206662)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯間 信 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (90312412)
平井 規央 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (70305655)
|
Keywords | 蝶 / 羽ばたき飛翔 / 神経系-身体-環境 / 相互作用 / 環境創成 / 生物学的アプローチ / 工学的アプローチ / 力学的共通原理 |
Research Abstract |
蝶の羽ばたき飛翔は, 生成される流場を環境とする, 移動知の一例である. 本研究では特に, 羽ばたきにより創成される渦列流場という環境が安定化とマヌーバに与える影響という観点から, 飛翔における蝶の適応的行動能力を発現するメカニズムを解析し, 他の移動知にも共通する移動知発現の力学的共通原理の解明に貢献することを目指す. 具体的には, (1)生体の蝶の感覚器(センサ)入力および身体の応答動作との関係, (2)蝶の安定飛行と状態間遷移飛行を実現する制御機構に環境(流れ場)がどのように影響するか, という2点を研究期間にわたり調査する. 当該年度には、「A. 生物学的アプローチ」と「B. 工学的アプローチ」, として, 以下の項目を実施した. A1. 飼育 アサギマダラ蝶を経常的に供給するため, 野外から採集した雌成虫から採卵し, 成虫になるまで大阪府立大学の飼育設備で飼育できるようにした. A2. 実験観測 実験装置を構築して観測実験を行い, 蝶の運動と空気力を計測した. 観測データは, 数値シミュレーションの妥当性評価用でもある. A3. 解剖学的観測 可能な能動的動作を知るため, マイクロCTを用いて解剖学的理解を進めている. B1. 2次元数値モデルによる検討 飛翔安定化および状態遷移能力を探るために2次元数値モデルを構築した. 現在, 安定な飛翔状態を実現して, 大摂動に対する回復過程を調査しており, 状態遷移能力の解析に繋げる予定である. B2. 3次元数値モデルによる検討 現実の蝶について自由飛翔の安定性を解析する等の目的で, 3次元数値モデルを構築している. 実験で得られた観測データと比較して, 数値モデルめ妥当性や精度を検討している.
|
Research Products
(25 results)