2008 Fiscal Year Annual Research Report
光操作によるマルチスケール機能イメージング法の開発
Project/Area Number |
20034001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
永井 健治 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (20311350)
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Keywords | 生体分子 / 光活性化 / 可視化 / FRET / 顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、光照射によって、蛍光活性化する生理機能センサータンパク質を開発することで、生きた細胞内や個体内の、ナノからマクロに及ぶ、様々な空間スケールにおける生理機能を高感度に観察する手法を構築することを目的とする。本年度は高効率FRETに基づく光活性化が可能なCa2+指示薬PA-cameleonの作成を行った。PA-cameleonはECFP(シアン色蛍光タンパク質)とVenus(黄色蛍光タンパク質変異体)間のFRETに基づくCa^<2+>センサータンパク質、Yellow Cameleon3.60のECFPとVenusをそれぞれPA-GFP(光活性化型緑色蛍光タンパク質) とRFPに置換することで作成した。エネルギードナーとなるPA-GFPは紫(外)光照射により活性化され、緑色蛍光タンパク質として機能するようになるものである。従って、PA-cameleonは紫外光を照射する前はドナー分子が存在しないため、ドナーを励起する光を照射しても蛍光が観察されず、紫外光照射によって初めて蛍光性を獲得し、FRET指示薬として機能すると考えられた。しかしながら、PA-cameleonを哺乳類の培養細胞に発現させ、488nmの青色光で励起したところ、RFPが直接励起されてしまい、光活性化の利点の1つである高いコントラストを実現することができなかった。一方、405nmのレーザーを照射し、PA-GFPを活性化すると、緑色の蛍光が現れ、リガンド刺激に伴う細胞内Ca2+濃度の変化を捉えることができた。今後は各種RFP(dsRed, mRFP, mCherry, TagRFPなど)に置換することでRFPの直接励起を回避するができるかどうかを検討していく。
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Research Products
(24 results)