2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20036039
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
落合 正仁 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50127065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 和範 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (40403696)
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Keywords | イリド / 臭素 / ヨウ素 / 塩素 / カルベン / 超原子価 |
Research Abstract |
臭素原子のサイズやイオン化電位を考慮すると、超原子価臭素化合物は超原子価ヨウ素化合物よりも遥かに高い反応性を示すことになる。我々は脂肪族ブロモニウムイリド[(CF_3SO_2)_2C^--Br^+C_6H_4-p-CF_3]の合成に世界で初めて成功し、今回これが極めて緩和な条件下にカルベンやカルベノイドの発生源として機能することを明らかにした。超原子価ヨウ素化合物を用いた場合には殆ど進行しない反応である。 ハロベンゼン(ヨウ素、臭素、塩素)中でブロモニウムイリドを加熱する(160度, 1時間)とカルベンが発生し、これをハロベンゼンのハロゲン原子が捕捉することにより、新たなイリドが生成することを見出した。ハロニウムイリド間の初めてのトランスイリド化反応である。本法により、これまでは未知の化合物であったクロロニウムイリドを合成することにも成功した。また、その固体構造も明らかにできた。Rh(II)触媒を用いると、トランスイリド化が40度で進行するようになる。 クロロニウムイリド間のトランスイリド化も進行する。現在、フルオロニウムイリドの合成を試みているが、未だ夢の段階である。合成した3種のハロニウムイリドとオレフィンとの反応(シクロプロパン化反応)から、超原子価ハロガン置換基の超脱離能がI(III)<Br(III)<Cl(III)の順に増大するという極めて興味深い結果が得られた。
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Research Products
(31 results)