2008 Fiscal Year Annual Research Report
規則化構造酸化物内での金属イオンの配列制御に基づく協奏触媒活性点の構築
Project/Area Number |
20037053
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寺岡 靖剛 Kyushu University, 総合理工学研究院, 教授 (70163904)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 複合金属酸化物 / 規則化構造酸化物 / 多金属協奏活性点 |
Research Abstract |
複合金属酸化物中での金属イオンの規則配列に伴う新たな協奏的触媒機能の発現を目指し、ダブルペロブスカイトの合成、粉末X線回折、リートベルト解析による結晶構造解析、および光学的バンドギャップ(Eg)測定と光触媒活性について検討した。 Bサイト金属イオンの価数差が4価(B^<2+>-W^<6+>)、3価(B^<2+>-Ta^<5+>,Nb^<5+>)、2価(B^<2+>-Ti^<4+>,Al^<3+>-Nb^<5+>)となるダブルペロブスカイトを固相反応法により合成した。このうち価数差が2の場合には規則化が不完全になるものがあることがわかった。例えばSr_2AINbO_6では、1400℃での焼成時間を長くすることで規則性が向上する。また、La_2ZnTiO_6では、リートベルト解析から1200℃、20時間焼成ではZn^<2+>サイトのZnの占有率(規則化度)が90%、1300℃、10時間焼成の場合には70%となり、調製条件(焼成温度、時間)により規則化度が制御できることが明らかとなった。 Egは構成金属イオンにより大きく変化したが、Bサイトの高原子価イオンよりも低原子価イオンに大きく依存することがわかった。また、A_2NiWO_6(A=Ba, Sr, Ca)のEgは、Ba(立方晶)>Sr(正方晶)>Ca(単斜晶)の序列となり、Aサイトイオンのサイズとそれに依存する結晶系により系統的に変化すること、Sr_2AINbO_6、La_2ZnTiO_6における検討から、本研究の範囲ではEgは規則化度に依存しないことがわかった。 光触媒活性を、紫外線を用いたメタノール水溶液からの水素生成反応、Ag水溶液からのAg^+光還元反応により評価した。メタノール光還元反応はSr_2AINbO_6のみで、Ag^+光還元反応はSr_2AINbO_6とLa_2ZnTiO_6でのみ活性が認められた。また、La_2ZnTio_6のAg^+光還元活性は規則化度に依存しないことも明らかになった。
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Research Products
(6 results)