2008 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ニュートリノ実験でのミューオンモニター用ダイヤモンド検出器の研究
Project/Area Number |
20039009
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山本 和弘 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 准教授 (80303808)
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Keywords | 素粒子(実験) / 粒子測定技術 |
Research Abstract |
化学気相合成(CVD)法による単結晶ダイヤモンドを、メーカーに依頼し合成した。出来上がったサンプルの大きさは、4mm×4mm×0.5mmであり、表裏の表面には信号読み出しのために、オーミック接触でメタライズ処理を施した。フィルター回路にこのサンプルを組み込み、検出器として完成させた。その後バイアス電圧を実際にかけて加圧試験を行ったところ、充分な電子移動度が得られると期待される、500V(1V/μm)で短絡を起こさないことを確認した。2008年9月には、京都大学化学研究所の電子線型加速器のビームラインにこの検出器を設置し、100MeVの電子を照射した。電子ビームの強度は、パルスあたり108個であった。その結果、40nsのビームパルスに対して〜50nsのシグナルが得られ、非常に応答が速いことが確認された。T2K実験では、ビームのバンチ間隔が700nsとなる設計であるので、これによってバンチ毎のビーム測定が可能であることが分かった。また、-30dBの減衰器を通してもなお700mVの信号が得られ、検出器として充分な信号の大きさである。ただ、ビームを照射し続けると、信号が徐々に小さくなっていく現象が見られ、長時間の安定性が今後の課題である。
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Research Products
(2 results)