2008 Fiscal Year Annual Research Report
誘電体ヘテロ界面に蓄積された二次元電子ガスの電子状態と量子サイズ効果の起源
Project/Area Number |
20047007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 裕道 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80372530)
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Keywords | 二次元電子ガス / 電子状態 / 量子サイズ効果 |
Research Abstract |
本公募研究の目的は、(1)誘電体人工超格子やヘテロ酸化物界面近傍に誘起される二次元電子ガスの電子状態と量子サイズ効果の相関を明らかにすること、(2)誘電体中の二次元電子ガスを積極的に活用した機能材料設計指針を提案することである。二次元電子ガス近傍の原子・電子状態を高いエネルギー分解能で捉えることにより、巨大Seebeck係数のオリジンを解き明かし、誘電体中の二次元電子ガスを積極的に活用した材料殻計指針を提案することが可能と考えている。平成20年度はPLD法によって作製したTiO_2/SrTiO_3ヘテロ界面の構造を明らかにするため、高分解能X線回折および走査型透過電子顕微鏡を用いた詳細な解析を行い、(1)SrTiO_3単結晶上にアナターゼ型TiO_2がStranski-Krastanov成長し、その臨界膜厚は約1.7nmであること、(2)TiO_2/SrTiO_3ヘテロ界面近傍の厚さ5nm程度の領域に高濃度(〜10^<21>cm^<-3>)の伝導電子が蓄積されること、(3)電子輸送特性の温度変化にヒステリシスが見られることを明らかにした。PLD法によるTiO_2薄膜堆積時に基板であるSrTiO_3が還元され、そのとき生成したキャリア電子が何らかの電界誘起機構によってヘテロ界面近傍に蓄積され、さらに界面トラップ準位のような欠陥に電子が捕捉されることでヒステリシスを生ずるものと考察した。
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Research Products
(3 results)