2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20053013
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
奥島 葉子 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 助教 (00432592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 正明 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (80221810)
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Keywords | 植物 / 根系 / 細胞周期 / シロイヌナズナ / 細胞増殖 / 栄養 |
Research Abstract |
本課題では根の形成と伸長の過程における細胞増殖の制御機構について、栄養源に対する応答の面から明らかにすることを目的としている。硝酸濃度が高い培地でシロイヌナズナを育てた時、側根の伸長が特異的に抑制される現象が知られている。これまでに、高硝酸条件下で伸長抑制が起こった側根の分裂組織では、B型サイクリン依存性キナーゼであるCDKB2 ; 1の蓄積が抑制され、またオーキシン応答のマーカーであるDR5 :: GUSの発現も抑制されることを確認した。このことから、硝酸濃度に応答した側根の伸長抑制過程には、オーキシンを介したCDKB2 ; 1量の制御が関与する可能性が示唆される。そこで、pCDKB2 ; 1 :: CDKB2 ; 1(NT)-GUSをレポーターとして用いてオーキシンに応答したCDKB2 ; 1の蓄積量の変化を調べたところ、処理後6時間以内に根端に近い領域の内鞘細胞列で誘導されることを確認した。一方、オーキシン受容体の拮抗阻害剤であるCPEO-IAAによる処理により、根端分裂組織でのCDKB2 ; 1 :: CDKB2 ; 1(NT)-GUSの発現が消失した。さらに、シロイヌナズナ培養細胞を用いた実験により、内在性のCDKB2タンパク質もCPEO-IAA処理によって顕著に減少することを確認した。CPEO-IAAによるCDKB2タンパク質量の減少はMG132添加により抑制され、さらにCPEO-IAA処理によってもCDKB2 ; 1のmRNA蓄積量は変化しないことから、オーキシンシグナルの抑制によりプロテアソーム依存的なCDKB2タンパク質の分解が起こることが示唆された。また、根の発達に関与するCDKインヒビター(KRP)を探索する目的で行ったpKRP :: KRP-GUSレポーターラインを用いた発現解析により、側根原基の基部での細胞分裂の制御や、側根原基形成の側方抑制に関与する可能性があるKRPメンバー同定した。
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Research Products
(2 results)