2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷応答におけるヒストンH2AXダイナミクスのプロテオミクス解析
Project/Area Number |
20055003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井倉 毅 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 講師 (70335686)
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Keywords | TIP60ヒストンアセチル化酵素 / ピストンH2AX / UBCI3ユビキチンヒ酵素 / ヒストンシペロン / クロマチン構造亦 / DNA有応答 / 蛋白質複合体 / プロテオミクス |
Research Abstract |
これまで申請者は、ヒストンH2AXが損傷部位から放出されることを見出し、損傷領域のクロマチンの変化が新たな損傷応答シグナルとして働いている可能性を示唆した。本研究課題は、このH2AXのクロマチンからの放出の分子機構とDNA損傷応答シグナルとしてのH2AXのクロマチンからの放出の役割を明らかにすることを目的としている。平成20年度は、H2AXの放出の分子機構を探るために、H2AXを複合体として精製し、クロマチン構造変換因子であるヒストンシャペロンを同定した。そしてこのヒストンシャペロンが、H2AXのクロマチンからの放出に関与していることを明らかにした。このH2AXの放出は、TIP60ヒストンアセチル化酵素によるH2AXのアセチル化とUBC13ユビキチン結合酵素によるポリユビキチン化によって制御されていることを既に示している。そこで今回同定したヒストンシャペロンとH2AXの損傷依存的なポリユビキチン化との関係を探るために、同定したヒストンシャペロンのノックダウンHeLa細胞を作成し、損傷依存的なH2AXのポリユビキチン化とヒストンシャペロンとの関係を検討した。その結果、ヒストンシャペロンのノックダウンHeLa細胞から精製したH2AXのポリユビキチン化も、野生型HeLa細胞から精製したH2AXのポルユビキチン化とほぼ同様に行われていることが示された。この結果は、H2AXの放出に関与するヒストンシャペロンがH2AXの損傷依存的なポリユビキチン化の下流あるいは独立した制御系で働いている.ことを示唆している。今後、これらの知見をもとにH2AXのクロマチンからの放出の分子機構の詳細をさらに探り、H2AXの放出がチェックポイント機構とどのように連携しているのかを明らかにずる予定である。
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Research Products
(8 results)