2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20055020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石井 浩二郎 Osaka University, 生命機能研究科, 特任准教授 (40360276)
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Keywords | セントロメア / 染色体 / クロマチン構造 / 細胞応答 / 分裂酵母 |
Research Abstract |
我々は、セントロメア破壊の人為的誘導によって致死的となった細胞集団からネオセントロメア獲得細胞を遺伝的に選択する分裂酵母実験システムを用いて、セントロメア新生機構についての分子レベルでの解明を進めた。これまでに、第一染色体セントロメアの欠失による致死性からの復帰生存株にはネオセントロメア形成株とテロメア融合株が含まれ、ネオセントロメアはテロメア近傍にヘテロクロマチンに接するかたちで形成されていること、ヘテロクロマチン変異株ではネオセントロメア形成細胞の出現頻度が相対的に低下することを見出し、本年8月にScience誌に論文発表した。また、ヘテロクロマチン領域をセントロメアとテロメア近傍以外の染色体腕部MAT座位にもつ第二染色体のセントロメア破壊も試みた。その結果、ネオセントロメアはテロメア近傍にしか形成されず、MAT座位がネオセントロメアとなる現象は見出されなかった。従って、ヘテロクロマチン領域がネオセントロメアの主要な誘起要因である可能性は極めて低い。テロメア近傍は転写抑制遺伝子が集積する領域であり、連続した転写不活性化領域がネオセントロメア誘起要因である可能性についても検討した。高発現遺伝子の挿入によってネオセントロメアとなるテロメア近傍領域の連続した低転写活性を阻害したが、ネオセントロメアの形成は阻害されなかった。しかしセントロメア蛋白質は挿入した高発現遺伝子のみを避けるかたちで分布し、セントロメア形成の柔軟性が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)