2008 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞ニッチ、巨核球ニッチを支配するβ3インテグリン制御機構の解明
Project/Area Number |
20057006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江藤 浩之 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特任准教授 (50286986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 雅之 東京女子医科大学, 先端生命医科学研究所, 教授 (40267117)
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Keywords | 造血幹細胞 / β3インテグリン / Qutside-inシグナル / 細胞周期 / 細胞分裂 |
Research Abstract |
幹細胞は高い増殖能、多分化能、自己複製能を兼ね備えた細胞で組織・臓器の発生・修復・維持に重要な後割を担っている。体性幹細胞はニッチと呼ばれる環境に存在し、ニッチからのシグナルによりその分化と増殖が制御されていると考えられる。しかし多くの幹細胞においてニッチそのものの本態はもとより、幹細胞の分化、増殖、細胞周期などを制御するシグナルや幹細胞の内部におけるシグナル伝達機構もほとんど判っていないのが現状である。本研究では造血幹細胞および血小板前駆細胞である巨核球と骨髄/血管内皮ニッチの関係を2つの細胞が共通するβ3インテグリンを介した細胞外から細胞内へのシグナルに焦点を当て、造血幹細胞の維持・増殖に関わる分子制御機構を明らかにすることを目的とする。申請者らは角膜上皮幹細胞および造血幹細胞における機能スクリーニングからαvβ3インテグリンが静止期幹細胞の新規のマーカーであることを明らかとしたがαvβ3の機能については未だ明らかではなかった。研究者らは、マウス造血幹細胞を用いて、β3インテグリンを特異的にリガンド様に働く抗体をスクリーニングしたことにより1個の造血幹細胞レベルでoutside-inシグナルがおきる方法の確立に成功した。この方法により、αvβ3インテグリン下流シグナルが幹細胞のdormantな分裂抑制に重要であること、このdormant状態を維持するサイトカインが主にthrombopoietin刺激で発生すること、等を発見している。
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Research Products
(15 results)