2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒアルロン酸ーケモカインを基軸とした幹細胞ニッチ統合支配の分子機構
Project/Area Number |
20057008
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
板野 直樹 Shinshu University, 医学系研究科, 准教授 (40257712)
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Keywords | マトリックス / ヒアルロン酸 / ケモカイン / 幹細胞 / ニッチ |
Research Abstract |
骨髄や腫瘍におけるストローマはニッチとして造血幹細胞の支持や動員に働く"場"を提供しているとされる。そこで、本研究では、Hasヒアルロン酸合成酵素の遺伝子改変マウスを駆使して、ストローマの形成するヒアルロン酸細胞外マトリックスが、ケモカインと連携して造血幹細胞の動員に働く分子機序について検討し、以下の結果を得た。 1) ヒアルロン酸産生腫瘍における造血幹細胞の動員増加 ヒアルロン酸合成酵素2(Has2)のコンディショナルトランスジェニックマウス(Has2 cTg)の解析から、乳がんにおけるヒアルロン酸の増加が、造血幹細胞と考えられるKSL(c-Kit^+Sca-1^+Lin^-)の乳がん組織への動員を増加することを明らかにした。 2) ストローマヒアルロン酸の欠損による造血幹細胞動員の抑制 Has2のコンディショナルノックアウトマウス(Has2 cKO)からヒアルロン酸欠損線維芽細胞を樹立して、乳がん細胞との共移植実験を施行し、ストローマヒアルロン酸の欠損により、KSL細胞のポピュレーションが移植がんにおいて有意に減少することを明らかにした。 3) ヒアルロン酸欠損によるケモカイン産生の抑制 線維芽細胞におけるヒアルロン酸合成の欠損がケモカイン産生に与える影響を抗体アレイにより検討し、ピアルロン酸合成の欠損により線維芽細胞のCXCL12産生が減少することを明らかにした。 以上の結果は、間質ヒアルロン酸がケモカインの産生を増加して、腫瘍内への造血幹細胞の動員にニッチとして働くことを示唆している。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Involvement of CD44 in mast cell proliferation during terminal differentiation.2009
Author(s)
Takani, H., Nakazawa, S., Shirata, N., Tamba, S., Furuta, K., Tsuchiya, S., Morimoto, K., Itano, N., Irie, A., Ichikawa, A., Kimata, K., Nakayama, K., Sugimoto, Y., Tanaka, S.
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Journal Title
Lab.Invest. 89
Pages: 446-455
Peer Reviewed
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